現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 社会
  4. その他・話題
  5. 記事

アート作品「バッタもん」 ヴィトン社抗議で展示中止

2010年6月27日4時1分

印刷印刷用画面を開く

このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真:撤去された岡本光博さんの作品「バッタもん」=岡本さん提供撤去された岡本光博さんの作品「バッタもん」=岡本さん提供

 神戸市立の神戸ファッション美術館(同市東灘区)に展示されたアート作品が、高級ブランドのルイ・ヴィトン社からの申し入れで撤去されていた。京都市の美術家、岡本光博さん(42)が、にせ物のはんらんする現代社会をテーマにした作品「バッタもん」で、同社が「素材がコピー商品」と指摘したためだ。

 「バッタもん」はバッタの姿をした40センチほどの立体作品。ルイ・ヴィトンなど5社のブランドのロゴマークや柄が使われた9体が撤去された。4月15日から今月27日まで開催中の「ファッション奇譚」展に出品されていた。

 ルイ・ヴィトン社は5月6日付で美術館と岡本さんに文書を送り、作品は商標権を侵害するコピー品で作られ「偽造品の販売という犯罪行為を肯定する」などとして展示中止を求めた。美術館を運営する神戸市産業振興財団は翌日、撤去を決定した。美術館の久保利洋二事務長は「展示自体は商標権の侵害とは言えないと考えている。だが、企業と争いながら展示を続けるのは本意ではない」と話す。

 岡本さんは同社の指摘に対し、「営利目的のコピー商品と同列に論じるのはおかしい」と反発。ただし、「作品は大量消費社会におけるオリジナルとコピーの関係を考えさせるもの」として、素材がコピーか本物かは明らかにしていない。美術館の対応についても「企業に言われて、すぐ作品を撤去する姿勢は残念だ」と話す。ルイ・ヴィトン社は「この件の取材は受けない」としている。(小川雪)

PR情報
検索フォーム

おすすめリンク

外国人労働者に門戸を開いたEPA。送り出し国の視点で、その光と影を追った。

宮崎県で猛威を振るう「口蹄疫」。被害拡大の兆しは3月末、すでに現れていた。

秋田の裁判員裁判で「ギャンブル依存症」が量刑判断の一つになった。その実情に迫る。


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内 事業・サービス紹介