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【大相撲】恐喝容疑で元力士古市容疑者逮捕 野球賭博問題でついに捜査のメス2010年6月25日 紙面から
大相撲の野球賭博問題で、角界と暴力団とのかかわりに、ついに捜査のメスが入った。大関琴光喜=佐渡ケ嶽部屋=から口止め料名目で約350万円を脅し取ったとして、警視庁は24日、元力士の男を恐喝の疑いで逮捕した。男は琴光喜と野球賭博のかかわりを認めた。今後、多くの力士や親方が関与したと見られる野球賭博の実態に、いよいよ本格的に捜査が進められる。 逮捕されたのは、元力士の古市満朝(ふるいち・みつとも)容疑者(38)。古市容疑者は、野球賭博に関与していた阿武松部屋の現役力士の兄で、元幕下力士。一連の野球賭博で逮捕者が出たのは初めて。 角界を根本から揺るがしている野球賭博。警視庁は暴力団とのかかわりを解明するため、22日に逮捕状を取得。その後古市容疑者は所在が一時不明になっていたが、代理人を通じて出頭の意向を警視庁に伝えていた。 捜査関係者によると、琴光喜は昨年12月、野球賭博の「勝ち金」500万円の支払いを阿武松部屋のこの現役力士に要求。これに対し、古市容疑者は今年1月、仲介役だった阿武松部屋の床山(29)を通じて「野球賭博をやっていることは知っている。マスコミや警察に知られたら大変なことになる。部屋の親方にも言うぞ」などと脅し、現金約350万円を脅し取ったという。 金は阿武松部屋近くの路上で床山から受け取ったという。さらに1億円以上を要求した疑いも持たれている。 古市容疑者は「350万円を受け取ったのは事実。(野球賭博の)取り立てを依頼されており、その報酬だった」と供述している。 対応に悩んだ琴光喜は「脅されて困っている」と大嶽(元関脇貴闘力)、佐ノ山(元大関千代大海)、時津風(元幕内時津海)の3親方に相談。春場所中だった今年3月に古市容疑者側と琴光喜側が大阪市内で交渉した際には、大嶽親方も同席した。さらに暴力団関係者と見られる別の男も立ち会ったという。大嶽親方と時津風親方は、自らが野球賭博にかかわったことも認めている。 警視庁は、多くの現役力士や親方が関与し、暴力団の資金源ともされる角界の野球賭博の実態解明に力を入れる。また、琴光喜への1億円超の恐喝未遂については、暴力団関係者と見られる男も含め複数人がかかわった疑いもあり、警視庁は立件する方針。角界を覆う「黒い霧」の全容あぶり出しへ、最初のカードが切られた。
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