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【プロ野球】

巨人長野 不敗神話弾 打てば8戦全勝 セ40勝一番乗り

2010年6月25日 紙面から

ヤクルト−巨人 6回表1死一塁、2ランを放った長野は2打席連続ソロのラミレス(右)と笑顔=神宮球場で(由木直子撮影)

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◆巨人4−2ヤクルト

 この体のどこにこれほどのパワーが詰まっているのか。6回1死一塁。巨人の長野が強振した打球は、神宮球場の左中間スタンド上段まで達した。原監督らベンチの首脳陣があっけにとられて、着弾点を指さした9号2ランは推定140メートル。外国人打者のバットでもめったに見られないような圧巻の当たりだった。

 長野が本塁打を放った試合は8戦8勝。新人が1号アーチをかけた試合からチームが8連勝するのは、セ・リーグで初めて。不敗神話は新たな領域に突入した。

 本塁から離れて打席の真ん中付近に立ち、腕が伸びきったポイントでとらえるから打球が伸びる。加えて天性の手首の強さとスイングの速さ。「僕はホームランバッターじゃないので」と控えめながらも、完ぺきにとらえた時の飛距離はラミレスや阿部に匹敵する。ヤクルト3連戦で2本目。一時の絶不調から脱し、篠塚打撃コーチは「ボール球を振らなくなったから。パワーありますよ」とたたえた。

 驚異の弾道を描き出した一方、守備ではまずいプレーを見せた。8回1死一塁。飯原が放った平凡な飛球の目測を誤り、数歩下がった後に前方へダッシュ。結果的に捕球できず、ピンチを広げた。原監督は「長野が足を引っ張った」、伊原ヘッドコーチも「センスの問題。困るよ」。厳しくしかられた長野は本塁打について語ろうとせず、何を聞かれても「守りをしっかり練習します」と、まるで敗戦の責任を背負ったようなコメントを繰り返した。

 チームはリーグ一番乗りの40勝。昨季と同じ66試合目で到達した。万全ではない状態のチームに、長野のバットが確かな推進力を生み出しているのは間違いない。 (永山陽平)

 

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