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【プロ野球】

原監督516勝 恩師・藤田元司さんに並んだ

2010年6月26日 紙面から

◆巨人3−1横浜

 花束はない。セレモニーもない。それでも、特別な勝利だった。8回に飛び出したラミレスの決勝弾をクルーンが守り、巨人の原辰徳監督は「恩師以上」と尊敬する故・藤田元司さんと同数の白星を積み上げた。

 通算516勝。切りは良くなくても、大きな節目だった。「光栄、という軽い言葉では表現したくないぐらい」。試合後の会見。指揮官はその意味をかみしめた後、「うまく表現できないよ」と照れ笑いを浮かべた。

 藤田さんのクジ運に導かれて巨人入りを果たした。選手としての成長、指導者としての成熟を後押ししてくれた師は4年前に他界。しかし、“遺言”は胸深く刻まれている。「今度はもう少し長くやらなきゃいかん」。第一次政権を2年で終えた原監督は2005年秋の再就任にあたり、そんな言葉をかけられた。

 目先の1勝を追うと同時に、長期的視野に立ったチームづくりも忘れてはならない。その指針は原監督の用兵にも色濃く表れている。坂本の登用や育成出身選手の抜てきは常勝軍団となるための土台となり、リーグ3連覇を成し遂げた。

 東京ドームの監督室には歴代監督の色紙が7枚飾られている。球団の歴史を胸に刻むため、原監督が集めたものだ。「われら誇りある立ち居振る舞いを」。藤田さんは数字以上の“何か”を巨人に残そうとしたに違いない。師の背中は、まだまだ大きく映っているはずだ。 (井上学)

 

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