イスナー(左奥)と対戦し、コートに倒れ込むマユ。2日連続の日没中断となり、1試合の最長時間記録を更新した(AP=共同)
「ウィンブルドン第5日」(25日、ロンドン郊外)
第4日(24日)は、男子シングルス1回戦で3日がかりとなったテニス史上最長試合は第5セットの59‐59で再開した後の20ゲーム目で決着し、ジョン・イスナー(米国)がニコラ・マユ(フランス)に6‐4、3‐6、6‐7、7‐6、70‐68で勝った。試合時間は11時間5分。女子シングルス2回戦で森田あゆみ(キヤノン)、奈良くるみ(大産大)はいずれも敗れた。
第5日(25日)は、史上最長試合で競り勝ったイスナーが2回戦でティエモ・デバッカー(オランダ)に0‐6、3‐6、2‐6で敗れた。試合時間は1時間14分。
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第5セットの59‐59から再開した3日目もサービスゲームのキープが続き、1時間を超えた。69‐68の第138ゲーム。イスナーがこの日初めてのマッチポイントを握り、最後はネットに詰めたマユの横をバックハンドで打ち抜いた。
芝生の上で大の字になったイスナーは「勝ちたい気持ちが上回って最後の球が入ってくれた」。大きくうなだれたマユは「いい試合はできたと思う」と涙目だった。
計11時間5分。史上最長の戦いを終えた2人は抱き合って健闘をたたえた。合計183ゲームのうち、ブレークは最後のゲームを除けば互いに一つずつだけ。サービスゲームを守り続けた驚異的な精神力が、歴史的な試合を生んだ。
しかし、翌日の2回戦に挑んだイスナーは疲労のためか、あっさりとストレート負け。スタンドからねぎらいの拍手を受けた。
(2010年6月25日)