谷氏は「母」アピール、事務所で授乳も

　民主党比例の柔道女子五輪金メダリスト谷亮子氏（３４）が２４日、東京・麻布十番で選挙戦をスタートした。水色の麻のジャケットに白いパンツ姿で、５００人以上の聴衆を前に「柔道で培った精神力を国政の場で生かしていきたい」と支持を訴えた。出馬表明以来、柔道と政治の「二足のわらじ」宣言に批判も上がったが、この日も「（ロンドン五輪を目指す姿勢に）変わりはない。仕事と子育てを頑張るお母さん、さらにスポーツも頑張るお母さんたちのためにも、頑張る」と、改めて現役続行も宣言した。

　第一声後には長男佳亮くん（４）、昨年１０月に出産した次男晃明くんと選挙事務所で待ち合わせし、「母親」らしさもしっかりアピールした。新人候補は初日から街頭を駆け回るのが普通だが、東京・六本木の事務所に戻って晃明ちゃんの授乳タイムも確保。谷氏は母乳で育てており、地方の選挙区を応援で回る時でも日帰りが基本。家を空ける時には、母親が福岡から駆けつけて冷凍してある母乳を解凍して哺乳（ほにゅう）瓶で授乳しているという。「働く母親」「働きながら子育てをして競技も続ける女性選手」の代弁者として、“子育て”も一部実践しながらの初日になった。

　この日午前には、事務所近くの神社で必勝祈願。夫の巨人谷佳知（３７）こそ不在だったが、夫の両親や兄、義兄、自分の祖母も福岡から駆けつけた。そのほか、１５年来の旧知という連合の笹森清元会長も応援に入り、「政治と柔道の両立は無理と批判する人はいるが、谷さんが実績を残してきたのは天才の上に凡人では及びも付かない集中した努力があるからだ」と逆風下の谷を弁護。「『選挙でも金』。よろしくお願いします」と訴えた。【清水優】

　［2010年6月25日8時14分　紙面から］