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ハローワーク職員に名刺義務化 女性職員からは不安の声

2010年6月26日4時27分

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 厚生労働省は25日、全国のハローワークなどの窓口の職員に名刺を持たせ、すべての相談者に手渡す方針を発表した。窓口の職員に責任感を持たせるとともに、相談後の問い合わせなどに円滑に対応するためだとしているが、非常勤や女性の職員からは、つきまといなどの被害が増えるという不安の声が上がっている。

 対象はハローワークや労働基準監督署などの窓口で相談にあたる職員約6万2千人で、このうち約4万人は非常勤。28日から始める。費用は年間約1億2千万円で、公費で負担する。日本年金機構(当時社会保険庁)の相談窓口では昨年から同様の措置がとられている。

 厚労省の方針が伝えられると女性団体などに相談が相次ぎ、大阪の「働く女性の人権センターいこ☆る」や東京の「働く女性の全国センター(ACW2)」、日本フェミニストカウンセリング学会など八つの団体が25日、名刺手渡しの強制を中止するよう厚労省に要望書を出した。

 これらの団体によると、非常勤の職員には職場と住まいが近い女性も多く、フルネームの名刺から自宅が特定される不安がある。1年契約という不安定な待遇なのに、正職員並みの責任やリスクを負うことに対する疑問も出ているという。

 厚労省地方課によると、ハローワークでは、相談者に職員が殴られる、灯油をまかれるなどの暴力行為やつきまとい行為などが09年度は22件、労働基準監督署では6件あった。千葉県では昨年7月、ハローワークの女性正職員が相談者に火をつけられ、重傷を負う事件があった。

 姓だけの名札はすでに着用しており、厚労省内にも「それで対応できる」「不安を感じる職員が多い」(いずれも幹部)などと反対する意見があったが、長妻昭厚労相が「名刺を渡すのは民間企業では当然」と主張し、押し切ったようだ。(編集委員・竹信三恵子、高橋末菜)

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