小沢幹事長:「やましいことはない」…会見で辞任を否定

2010年4月27日 21時34分 更新:4月28日 0時54分

会見で唇をかみしめる小沢一郎民主党幹事長=民主党本部で2010年4月27日午後7時14分、梅村直承撮影
会見で唇をかみしめる小沢一郎民主党幹事長=民主党本部で2010年4月27日午後7時14分、梅村直承撮影

 小沢一郎民主党幹事長に「起訴相当」議決が出た27日、このまま事件を引きずって夏の参院選に突入することへの不安が民主党内に広がった。米軍普天間飛行場移設問題に苦しむ鳩山由紀夫首相の退陣論もとりざたされ、政府・民主党のトップ2人の進退が絡む「5月政変」説が現実味を帯び始めた。

 ◇「5月政変」現実味

 小沢氏は27日夜、党本部で記者団に「意外な結果で驚いている。何もやましいことはないので与えられた職務を淡々と全力でこなしていく」と辞任する考えのないことを強調した。「最終的に検察当局が適正な判断を下せば、国民も納得し支援してくれる」と強気を崩さなかったが、菅直人副総理兼財務相や橋下徹大阪府知事との会談など午後の日程をキャンセル。議決書で「市民目線からは許し難い」と指弾された衝撃がうかがわれた。

 「幹事長(の仕事)は選挙に勝つことだ。内閣支持率(の下落)は関係ない」(12日)

 小沢氏は自らの「政治とカネ」問題に対する厳しい世論に背を向け続けてきた。今後も「選挙の小沢」として参院選対策を主導することで求心力の確保を図る考えとみられるが、地方選の敗北が続き、参院選で単独過半数確保を目指す戦略は崩れかけている。

 小沢氏は党代表だった昨年5月、衆院選への影響を懸念する党内の批判を受けて辞任した。今回も参院選前の自発的辞任を期待する声が高まるのは必至。渡部恒三元衆院副議長は「民主党代表である鳩山君が決断することだ」と記者団に語り、首相に更迭を促した。

 枝野幸男行政刷新担当相も記者会見で「検察審査会の判断を踏まえ、検察も当事者も判断すると思う。数日のうちにいろいろな動きがある」と辞任要求を強める考えを示唆。小沢氏と距離を置く枝野氏や前原誠司国土交通相、仙谷由人国家戦略担当相らのグループは27日夜、東京都内のホテルで会合を開き、前原氏は「権力の座にある者は心しなければいけない」と強調した。

 鳩山首相は27日夕、記者団に「検察の判断に影響を与えかねないので、これ以上申し上げることができない立場だ」としつつ「党の立場からは何らかの判断がされる可能性はある」と含みを残した。しかし、普天間問題などで首相自身の指導力が問われる中、小沢氏の辞任だけでは政権浮揚につながらないとの悲観論も広がる。小沢氏に近い党幹部は「普天間で首相が退陣すれば、自然に幹事長を辞任できる。そのタイミングしかない」と同時辞任の可能性に言及した。【須藤孝】

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