鳩山首相辞任:「幹事長も辞職を」…小沢氏「わかった」

2010年6月2日 11時31分 更新:6月2日 15時0分

民主党の両院議員総会を前に握手を交わす鳩山由紀夫首相(左)と小沢一郎幹事長=国会内で2010年6月2日午前9時57分、長谷川直亮撮影
民主党の両院議員総会を前に握手を交わす鳩山由紀夫首相(左)と小沢一郎幹事長=国会内で2010年6月2日午前9時57分、長谷川直亮撮影

 民主党の小沢一郎幹事長は2日午前、国会内で開かれた同党の常任幹事会で正式に辞意を表明、了承された。すべての執行部役員の辞任も決めた。鳩山由紀夫首相が退陣を表明したことを受け、党側にも責任があると判断した。今後は4日の党代表選と、代表選出後に行われる幹事長職をはじめとする党の新執行部人事の行方に焦点は移る。

 小沢氏は2日昼、国会内で記者団に、首相の退陣表明について「任期半ばでこのような事態になり、大変残念だ。首相、党代表を補佐する役目を十分果たし得なかったと反省している」と述べた。

 小沢氏周辺には首相の退陣と同時に小沢氏が幹事長を辞任すれば、「政治とカネ」問題で引責辞任した形にならず、党内に影響力を残せるというシナリオがささやかれていた。しかし、首相は両院議員総会でのあいさつで、5月31日、6月1日の小沢氏との会談の模様を紹介。首相が「私も引きますが、幹事長も恐縮ですが、幹事長の職を引いていただきたい」と述べ、幹事長辞任を求めたのに対し、小沢氏が「わかった」と答えたことを明らかにした。そのうえで、首相は「決して自動的ではない。お互いに責めを果たさなければいけない」と述べ、小沢氏は首相退陣にあわせて自動的に辞任したわけではなく、小沢氏自身も引責辞任であることをあえて強調した。首相は、自らの退陣と同時に小沢氏にも明確な責任を取らせることで、小沢氏の影響力を当面、可能な限り排除したい考えとみられる。首相は「とことんクリーンな民主党に戻そう」とも強調した。

 しかし、小沢氏は06年4月の民主党代表就任以来、民主党の実権を握り続けてきた。現在も衆参両院で約150人の小沢グループを擁しており、一定の影響力は保持するとみられる。鳩山首相の後任選びと絡み、幹事長職の後任についても小沢氏との関係が焦点になりそうだ。今のところ、党内では小沢氏に近い海江田万里衆院議員や細野豪志副幹事長らの名前が取りざたされている。

 民主党は両院議員総会に先立ち、輿石東参院議員会長や高嶋良充参院幹事長、平田健二参院国対委員長、山岡賢次国対委員長ら党幹部が国会内の幹事長室に入り、対応を協議。同党はこの日予定されていた参院本会議や衆参の委員会質疑を延期し、急きょ両院議員総会を開催した。

top
文字サイズ変更
この記事を印刷

PR情報

アーカイブ一覧

 

おすすめ情報

注目ブランド