【トロント(カナダ)=大月規義、望月洋嗣】主要国首脳会議(G8サミット)は25日午前(日本時間26日未明)、カナダの最大都市トロント近郊のムスコカで開幕した。初日はアフリカ各国の首脳を交えた拡大会合も開き、開発途上国への支援策などを話し合う。外交デビューとなる菅直人首相は、途上国の新生児や妊婦の死亡率低下のために5億ドル(約445億円)の拠出を表明する。
議長国のカナダはサミット開催にあたり、途上国で死亡率が高い妊婦や5歳未満の子供を救うため、資金協力など新たな改善策を示すよう、各国に求めていた。
日本は新たな予算措置を最小限に抑えるため、国連児童基金(ユニセフ)や世界銀行などの国際機関に出している、使い道の限られていない資金を利用し、乳幼児や妊婦対策に使うよう限定したり、融資枠を設定したりして、5億円を確保する考えだ。
G8ではこのほか、イランの核開発問題や韓国軍の哨戒艦沈没事件への対応なども話し合われる見通し。
経済問題は主に26日開幕の20カ国・地域首脳会談(G20サミット)で議論される。景気刺激策の継続を優先すべきだとする米国と、ギリシャの財政問題を機に財政再建を急ごうとする欧州各国との間で主張に隔たりがある中、統一した経済対策が得られるかが焦点となる。