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向精神薬:過量投与に注意促す…厚労省が日医などに初通知

 医療機関で処方された向精神薬を飲んで自殺を図る人が増えている問題で、厚生労働省は、処方する際に長期、多量となるのを避けるなど細心の注意を払うよう日本医師会(日医)などの関係団体や自治体に通知した。厚労省によると、国が自殺予防の観点から医療機関に向精神薬の過量投与に注意を促すのは初めて。

 通知は24日付で、都道府県や政令市のほか、精神医療にかかわる日本医師会、日本精神科病院協会、日本精神神経科診療所協会など8団体の責任者にあてて出された。

 厚労省研究班が遺族との面接を通じて自殺者76人について調査したところ、半数が死亡前の1年間に精神科か心療内科を受診。このうちの約6割が、直接の死因でない場合も含め、処方された向精神薬を自殺時に過量服薬していた。

 通知はこうした調査を基に、患者が自殺する可能性を考慮して向精神薬の投与日数や投与量に一層の配慮をするよう求めている。

 向精神薬を巡っては自殺や自傷目的で大量に飲んだとして消防が救急出動した件数が、データのある札幌市、東京都、大阪市、北九州市の4都市で08年までの10年間で約2倍に増えていたことが毎日新聞の調べで判明している。【江刺正嘉、奥山智己】

毎日新聞 2010年6月25日 19時26分(最終更新 6月25日 21時15分)

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