哨戒艦沈没:事件発生から3カ月、軍紀の乱れ深刻(中)
天安事件以降の状況について、関心を持っていない将兵も多かった。江原道華川郡で勤務するイ・ジョンス上等兵(23)=仮名=は、「率直に言って、将兵は天安事件に対し関心も知識もない。天安事件について教えてくれる将校もいない」と語った。またイ上等兵は、「昨年の今ごろは、新型インフルエンザのせいで定期休暇すら取れなかったが、それに比べると、天安事件では出入りが自由なだけマシだ」と話した。大邱で勤務している空軍のイ・ジュヨン上等兵(25)=仮名=は、「“綱紀を確立しよう”というスローガンはあるものの、肝心の天安事件についてはよく知らない、というケースが多い」と語った。
韓国政府に対し不信を抱いている兵士もいた。イ・ジュヨン上等兵は、「軍隊に行っていない現政権の指導部が対北強硬一辺倒の姿勢をとっていることに、軍人らは皆、うんざりしている」と語った。江原道鉄原で勤務するキム・ジョンフン兵長(22)=仮名=は、「内務班では十人に一人か二人は、韓国政府が戦争を望んでいると思っている。調査団の発表が出たときも、その結果を信じない将兵が多かった。主に一等兵、二等兵の間で、かなりの動揺があった」と語った。また、ある将兵は、「沈没原因は北朝鮮(の攻撃)だという韓国政府の発表を聞いた後に、インターネットであれこれ調べてみると、わたしは考え違いをしているのではないか、という気持ちになる。“平和のダム”のように、韓国政府の発表の中にも、ウソが多かったではないか」と問い返した。
■かん口令ばかりの政訓教育
先月17日、当時の韓民求(ハン・ミング)陸軍参謀総長(現・合同参謀本部議長)は、陸軍の政訓将校全員を、陸軍本部がある忠清南道鶏竜台に招集し、特別精神教育を実施した。第一線で勤務する将兵の安全保障観に責任を持つ政訓将校を最高指揮官が招集し、教育するという、特別の対策だった。ところが、本紙がインタビューした数十人の将兵は、「天安事件以降、政訓教育が増えることもなければ、何か特別変わったこともない」と口をそろえた。逆に将兵らは、「政治的発言や、天安事件について外部で発言したら、営倉送り(軍内部での懲罰の一種)だと言われた」と話し、取材を拒否した。
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