(左から)望月浩一郎弁護士、八角親方、陸奥親方、伊藤滋座長、元警視総監の吉野準氏
大相撲の賭博問題を受けて発足した特別調査委員会の伊藤滋座長(早大特命教授)が24日、定例会見で同委員会を将来的に“角界の改革委員会”と位置づけるプランを披露した。この日は9人の事情聴取を行い、3日間合計で21人の聴取が終了。私案と前置きした上で、今後の議論で「調査委員会ではなく、改革委員会という名前も出てくると私は予想しております」と話した。
この背景には文科省からの指示があるという。伊藤座長は「単に野球賭博だけではないんですね。維持員とたまり(席)の問題もありますし、それ以外も相撲協会のこれまでのやり方についても関与しなければならないかと思います」と、幅広い要請があったことを明かした。
「部屋の問題とか、年寄の問題とか。それ以上のことは(座長の)権限を逸脱しているから言えない」と明言は避けたが、過去の角界の不祥事から推測すると、年寄名跡をめぐる金銭のやりとりや、時津風部屋での力士死亡事件のような師弟関係の問題についてとみられる。
また、協会監事を務める吉野準委員(元警視総監)も「維持員席の問題はお茶屋(相撲案内所)で売買するものじゃない。売買していたのは管理の怠慢」と私見を述べた。委員会の呼び名はともかく、賭博以外のさまざまな問題に長期的に取り組んでいくことになる。
(2010年6月24日)