「マツダで物盗まれた」「盗聴器を仕掛けられた」

　広島・マツダ工場の無差別殺傷事件で、殺人未遂などの疑いで逮捕された元期間従業員引寺利明容疑者（４２）が、マツダで働いていた３～４月に「ロッカーから物を盗まれた」と供述していることが２５日、捜査関係者への取材で分かった。

　一方で捜査関係者によると、引寺容疑者は４月上旬、「誰かが家に侵入し、物を動かした」「盗聴器を仕掛けられた」などと警察や知人に相談し、同じころ「眠れない」などと周囲に漏らしていた。

　マツダは事件当初に「トラブルはない」と説明しており、広島県警の捜査本部は、事実関係や供述の真偽について慎重に調べている。

　引寺容疑者はこれまで「秋葉原（無差別殺傷事件）のようにしようと思った」「工場で車を止めて包丁を振り回してやろうと思った」などと供述していた。

　捜査本部によると、死傷した１２人の大半は歩道ではねられ、車が反対車線の歩道に突っ込んでいたケースもあった。捜査本部は現場の防犯カメラの映像解析を進め、車が侵入した宇品工場（広島市南区）の東正門周辺で２５日、聞き込み捜査を実施。乗用車も検証した。

　事件で亡くなった浜田博志さん（３９）の告別式は２５日に広島市内で営まれ、会社関係者らが最後の別れを惜しんだ。

（2010年6月25日13時38分  スポーツ報知）

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