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【東京】

在日の歴史 知って交流を 韓国、朝鮮の図書館

2010年6月25日

埼玉県川口市から新宿区に図書館を移転した金理事長(右)ら=新宿区で

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 東日本で唯一の韓国、朝鮮の歴史書をそろえた図書館「文化センター・アリラン」が埼玉県川口市から新宿区に移転し、7月1日にオープンする。運営するNPO法人「文化センター・アリラン」は、都心への移転を機に「さらに韓国、朝鮮と日本の人が互いを知り、交流を深める場にしたい」としている。 (松村裕子)

 故朴載日(パクチェイル)・前理事長が朝鮮半島の歴史と文化を紹介し、日本との相互理解を深めるため、長年かけて約四万冊を収集、多額の借金をして一九九二年に自宅に開設した。

 二年前に亡くなると立ち退きを迫られ、NPOは移転先に交通の便がいい二十三区を検討し、副理事長の一人がオーナーを務める新宿区大久保一の第二韓国広場ビルに決めた。韓国料理店などが並ぶ職安通り沿いで、同じビルには高麗博物館も入居している。

 新図書館は八階全フロア約百八十平方メートル。植民地時代を含む近現代の歴史書など、日本語で書かれた韓国、朝鮮関連の約五千冊を置き、閲覧や貸し出しを予定する。子ども向けに韓国語の絵本も並べる。また、来館のきっかけとなるよう在日アーティストの演奏と話がセットになった講座、音楽が楽しめる土曜コンサートを新たに開く。ともに月一回。

 川口市では研究者の利用がほとんどだっただけに、在日一世の金容斗(キムヨンドゥ)・理事長(85)は「ここを誰でもふらっと立ち寄れる場所にしたい」と話す。

 月・火曜休館。入館料二百円、大学生百円。会員(年会費一万円)は無料。講座やコンサートは有料。資金難のため寄付や受付ボランティアを募っている。問い合わせは文化センター・アリラン=電03(3232)0091=へ。

 

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