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琴光喜恐喝の疑いで元力士が逮捕される

 移送される、恐喝の疑いで逮捕された古市満朝容疑者
 移送される、恐喝の疑いで逮捕された古市満朝容疑者

 警視庁組織犯罪対策3課は24日、大相撲の大関琴光喜(34)=佐渡ケ嶽部屋=から野球賭博の口止め料名目で現金約350万円を脅し取ったとして恐喝の疑いで、自称元組員で元力士の古市満朝容疑者(38)=大阪府寝屋川市石津南町=を逮捕した。古市容疑者は「琴光喜関から350万円を受け取ったのは事実。(野球賭博の)勝ち金の取り立てを依頼されており、その報酬だった」と否認しているという。組対3課は、多くの現役力士や親方が関与し、暴力団の資金源とも指摘される角界の野球賭博の実態解明を急ぐ。

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 茶髪にサングラス。派手なシャツにはコイや菊があしらわれていた。無表情に前を見据える古市容疑者を乗せた車は午後6時40分ごろ、東京都豊島区にある警視庁の施設を出発。約40分後に国技館に近い本所署に到着すると、大勢の通行人が足を止めた。

 がっしりとした体格の古市容疑者は、野球賭博に関与していた阿武松部屋の幕下力士の兄。小学生時代から地元の大阪府交野市で父親が主催する相撲道場でけいこを積んだ。「相撲一家」の長兄として知られ、中学卒業後に角界入り。「若隆盛」のしこ名で、最高位は幕下だった。

 「正月は時々実家に帰ってくるが、仕事は何をしているのか分からなかった」と母親(63)。野球賭博問題が報道され始めた6月上旬ごろ、古市容疑者から「恐喝はしていない。心配いらない」と電話があり、警察に出頭するよう勧めたという。

 22日に逮捕状が出てから、一時は所在不明に。24日午後、警視庁の捜査員に都内で身柄を確保された。逮捕の一報を聞いた母親は自宅前で「息子が迷惑を掛けて申し訳ない気持ちだ」と、言葉少なだった。

 逮捕容疑は1月、野球賭博の「勝ち金」500万円の支払いを求めた琴光喜を、仲介役だった阿武松部屋の床山(29)を通じて「野球賭博をやっていることは知っている。マスコミや警察に知られたら大変なことになる。部屋の親方にも言うぞ」などと脅し、現金約350万円を脅し取った疑い。金は、阿武松部屋近くの路上で床山から受け取ったという。

 古市容疑者は、琴光喜に、さらに1億円以上を求めたとされる。暴力団関係者とみられる男も含めてほかに複数の人物がかかわった疑いがあり、警視庁は恐喝未遂容疑で立件する方針だ。

(2010年6月24日)





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