覚せい剤取締法違反などの罪に問われた被告の裁判員裁判で、千葉地裁は22日、裁判員裁判としては初めての全面無罪の判決を言い渡しました。
この裁判は、相模原市の会社役員・安西喜久夫被告(59)が去年11月、チョコーレート缶に入った覚せい剤およそ1キロを輸入したとして、覚せい剤取締法違反などの罪に問われたものです。
争点は、安西被告がお土産として外国人の知人から渡されたチョコレート缶に、覚せい剤が入っていたことを認識出来たかどうか。
検察側は、「缶の重さから中にチョコレート以外のものが入っていることは分かったはず」と指摘。一方、安西被告は無罪を主張しました。
判決で千葉地裁は、「常識に照らして間違いなく、缶の中に違法薬物が隠されていることを知っていたとまでは認められない」として、裁判員裁判としては初めての全面無罪判決を言い渡しました。
「正直言って、大変うれしかったですね。私の主張が認められたということで良かったです」(安西被告)
「証拠を突きつめていけば、おのずと同じ答えが出ると思う」(裁判員を務めた男性)
千葉地検は、控訴については「判決内容を精査して判断したい」としています。
安西被告は会見で、罪に問われなかった偽造外国旅券密輸への関与に対し裁判長から反省を求められたことについては、「肝に銘じて聞きました」などと述べました。(22日20:33)