参院選「想定外」次々 投開票の人繰り読めぬ 選挙運動で感染拡大? 宮崎・口蹄疫
24日の公示が迫る参院選。家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」の感染拡大が続く宮崎県では、投票所の統合や変更、選挙活動の自粛など、異例ずくめの選挙戦となりそうだ。防疫作業に追われる自治体の選挙準備や、県外から応援に来た獣医師らの投票はどうなるのか。東国原英夫知事が「非常事態宣言」をして18日で1カ月。不要不急の外出を控えるよう県民に求める中で、投票率低下や選挙の公平性を不安視する声もある。
県内最大の被害が出た川南町は、選挙事務の人員確保のめどが立たず、17カ所から13カ所への投票所の統合を決めた。投開票所の農村環境改善センターには自衛隊が宿泊しているため、近く高鍋町の県立農業大学校にいったん移ってもらう。
町では現在、職員40−50人が防疫作業に従事。このため、開票事務に当たる職員を、昨夏の衆院選と比べて17人少ない60人にする。担当者は「防疫の手を緩めるわけにはいかず、頭が痛い」。
高鍋町は、投票所1カ所が家畜の埋却地に近いため、別の施設に変更。木城町では期日前投票に使うはずだった会議室を対策本部として使用しているため、役場前の駐車場に期日前投票用のプレハブを設置した。
■ ■
各自治体にとって、投開票作業の人繰りは共通の悩み。宮崎市は初めて学生アルバイトを約30人雇用、さらに臨時・嘱託職員の数を前回参院選の倍以上の260人に増やす。参院選は政党数が多く開票作業が煩雑なだけに、県選管は「アルバイトなどに頼りすぎると危ない」と危ぐする。
投開票日の新たな感染に備え、同市や西都市、日向市、都農町などは口蹄疫の対策本部の職員を投開票事務からあらかじめ除外。非感染地域の高原町では、投開票日に感染が飛び火した場合、町立病院の看護師を投開票事務に招集する方針だ。
全国から来た自衛隊や獣医師は、期日前や当日投票ができない場合、不在者投票の手続きが必要になる。住所地から投票用紙を送ってもらい、期日前投票の期間中に派遣先の自治体で投票する。
■ ■
関係者が最も恐れるのは、選挙活動や投票による感染拡大だ。高鍋町では、感染のリスクを避けるため、開票時の立会人から畜産農家を外す。
県選管は各陣営に選挙カーでの街宣活動や、大規模な集会の自粛を呼び掛ける。東国原知事は17日の緊急アピールで防疫対策への協力を求めた。
一方で、選挙戦が自粛モードとなれば、投票率低下も気掛かり。非常事態宣言を受け、被害農家などが、投票を控える可能性は否めない。県選管は「参院選は口蹄疫への思いを国政に届ける場でもある。消毒を徹底した上で、ぜひ投票を」と、あくまで投票率アップを目指す構えだ。
=2010/06/19付 西日本新聞朝刊=
県内最大の被害が出た川南町は、選挙事務の人員確保のめどが立たず、17カ所から13カ所への投票所の統合を決めた。投開票所の農村環境改善センターには自衛隊が宿泊しているため、近く高鍋町の県立農業大学校にいったん移ってもらう。
町では現在、職員40−50人が防疫作業に従事。このため、開票事務に当たる職員を、昨夏の衆院選と比べて17人少ない60人にする。担当者は「防疫の手を緩めるわけにはいかず、頭が痛い」。
高鍋町は、投票所1カ所が家畜の埋却地に近いため、別の施設に変更。木城町では期日前投票に使うはずだった会議室を対策本部として使用しているため、役場前の駐車場に期日前投票用のプレハブを設置した。
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各自治体にとって、投開票作業の人繰りは共通の悩み。宮崎市は初めて学生アルバイトを約30人雇用、さらに臨時・嘱託職員の数を前回参院選の倍以上の260人に増やす。参院選は政党数が多く開票作業が煩雑なだけに、県選管は「アルバイトなどに頼りすぎると危ない」と危ぐする。
投開票日の新たな感染に備え、同市や西都市、日向市、都農町などは口蹄疫の対策本部の職員を投開票事務からあらかじめ除外。非感染地域の高原町では、投開票日に感染が飛び火した場合、町立病院の看護師を投開票事務に招集する方針だ。
全国から来た自衛隊や獣医師は、期日前や当日投票ができない場合、不在者投票の手続きが必要になる。住所地から投票用紙を送ってもらい、期日前投票の期間中に派遣先の自治体で投票する。
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関係者が最も恐れるのは、選挙活動や投票による感染拡大だ。高鍋町では、感染のリスクを避けるため、開票時の立会人から畜産農家を外す。
県選管は各陣営に選挙カーでの街宣活動や、大規模な集会の自粛を呼び掛ける。東国原知事は17日の緊急アピールで防疫対策への協力を求めた。
一方で、選挙戦が自粛モードとなれば、投票率低下も気掛かり。非常事態宣言を受け、被害農家などが、投票を控える可能性は否めない。県選管は「参院選は口蹄疫への思いを国政に届ける場でもある。消毒を徹底した上で、ぜひ投票を」と、あくまで投票率アップを目指す構えだ。
=2010/06/19付 西日本新聞朝刊=
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