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『子ども』『人権』を守る! ~「児童ポルノ禁止法」改正へ~ [参議院議員 活動日記]

(以下 公明新聞転載 )

「単純所持」を禁止 与党PTで合意
~違反者には懲役刑も~

子どもを被写体としたポルノ画像や動画といった児童ポルノへの規制を強化しようと、自民、公明両党は近く、関連法の改正案をとりまとめます。そこで、公明党の「児童買春・ポルノ禁止法見直しプロジェクトチーム(PT)」の鰐淵洋子事務局長(参院議員)に、公明党の取り組みや主張などを聞きました。

――児童ポルノ問題の実態は。
鰐淵洋子事務局長 日本は1999年に「児童買春・児童ポルノ禁止法」を制定し、児童ポルノを誰かに販売、提供する目的で所持することに罰則を設けました。2004年の法改正でさらに規制を強化しましたが、インターネットや携帯電話の普及で、児童ポルノの画像などは不特定多数の人々に拡散しており、実態はますます深刻なものとなっています。児童買春の検挙数が高止まりをしているのに対して、児童ポルノ事件の検挙数は急増し続けているのが現状です。

――原因は何ですか。
鰐淵 一つは、児童ポルノを個人的に収集するだけの「単純所持」の問題が挙げられます。日本では児童ポルノを単に持っているだけでは処罰されません。「単純所持」については前回の改正の際にも議論となりましたが、「所有者のプライバシーへの配慮」や「警察の権限強化への懸念」といった意見から見送られました。
しかし、児童ポルノを「見るだけでも犯罪」との考え方が国際社会で定着し、日本の児童ポルノの環境が国際的な捜査の障害になっていると批判されています。主要8カ国(G8)中で、「単純所持」を処罰の対象としていないのは日本とロシアだけです。

――公明党の取り組みを教えてください。
鰐淵 児童ポルノは世界的な犯罪であり、犠牲になった子どもたちの心に深い傷が一生残り続けます。子どもたちを守るため、そして人道、人権擁護のため、児童ポルノの氾濫を阻止しようと公明党は07年12月、どの党よりも早く党内にPT(丸谷佳織座長=衆院議員)を設置しました。
太田昭宏代表をはじめ党幹部も加わり、関係省庁や専門家からのヒアリングを精力的に実施。児童ポルノ関連の商品を販売する店舗も視察に行きました。今年3月には、太田代表らがJ・トーマス・シーファー駐日米大使と会談し、児童ポルノ禁止法の見直しをテーマに意見交換しました。この結果、子どもを守るために法改正に取り組むべきとの意見で一致しました。

――公明党がリードする形で与党PTが発足しましたが。
鰐淵 児童ポルノ禁止法の強化をめざし、今年4月に初会合が開かれ、議論がスタートしました。この中で、大きな論点となっていた児童ポルノの「単純所持」は、与党PTとして「禁止」することで合意しました。量刑については当初、罰金刑のみにする案も出ていましたが、公明党は、より実効性を確保しようと「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」を主張し、与党間で大筋合意しています。

――その他、公明党の主張が実った部分は何ですか。
鰐淵 悲惨な性犯罪事件が相次いでいる現状を踏まえ、児童ポルノと性犯罪との因果関係を国が調査・研究することや、インターネット利用者が児童ポルノサイトに接続できないようにする「ブロッキング」技術の開発を法律の附則に書き込むことになりました。
児童ポルノを描写したアニメやCG(コンピューターグラフィックス)、また、児童以外の者が児童を装っている「擬似児童ポルノ」の扱いも大きな課題ですので、国の実態調査の対象として附則に書き込む予定です。

――今後の取組と課題は。
鰐淵 与党として改正案をまとめ、議員立法で提出し、一刻も早い成立をめざします。
規制の強化とともに、一度流出した画像は不特定多数の利用者によってコピーが繰り返され、過激な画像がほぼ無制限に広がっていきますので、それを防ぐには業界の積極的な研究や協力も欠かせません。
海外では「ブロッキング」技術を導入し、一定の実績をあげている国もあるようですが、「ブロッキング」の手法によっては通信の秘密に抵触する可能性や、事業者側のコスト負担が大きいなどの課題があります。より調査・研究を深めていく必要があります。