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第十四話 マジカル・サイン
<第二新東京市 史跡公園>

「……ここは?」
「いったい何が起こったんだろう?」

強烈な目まいを感じたキョンとシンジは目を覚ました。
いつの間にか二人はベンチに座っていて、気がつくと周りは静かな夜の公園。

「キョンくん、碇君、目が覚めました?」

ミクルの声が二人の前方から聞こえ、二人がそちらへ視線を向けると、二人は驚いて言葉も出ない様子だった。
そこに立っていたのは、ミクルの制服を着た、大人の女性だった。

「……やっぱり、この姿だと胸やお尻がちょっとキツイかな」

そう呟いて溜息を吐く女性の姿をしばらく見つめていたキョンはやっと声を絞り出す。

「あの、朝比奈さんのお姉さんか何かですか?」
「いえ、朝比奈ミクル本人です。……でも、もっと未来の魂が宿っているんです。だから体型もそれに合わせて変わってしまったの」
「えっ?」

言っている事の意味が理解できず、キョンとシンジは固まってしまった。

「やっぱり、二人とも信じていないんですね。短冊に年金満額支給のお願いをしちゃうお二人さん」

ミクルの一言を聞いて、キョンとシンジは目の前に居る人物が朝比奈ミクル本人だと信じないわけには行かなくなった。
確かに声はそっくりだし、ちょっと大人びた性格とスタイルを除けば違和感を感じない。

「で、なんで朝比奈さんはおれ達をここに連れてきたんですか?」
「お二人に大切な役目を果たして欲しいからです」
「……役目、ですか?」

やっと落ち着いたキョンがミクルに質問をした。

「キョンくん、ここから線路沿いに南に下って行くとある中学校は知ってますよね?」
「確か東中……ハルヒの学校じゃないですか?」

キョンがそう答えるとミクルは満足そうに頷いた。

「そう、校門前で涼宮さんが困っているので助けてあげてほしいの」
「こんな時間にハルヒがですか?」
「行ってみればわかると思います、お願い!」

その後ミクルに耳打ちされたキョンは半信半疑といった様子で東中へと向かって行った。

「さてと、碇君は私について来てくれませんか?」

キョンの後ろ姿が小さくなった頃、ミクルはそう言ってシンジに微笑みかけた。

「あの、どこへ行くんですか?」

少し照れくさそうな顔をしてシンジはそう尋ねる。

「ふふ、長門さんの部屋です。そこに行って碇君にはある事をしてもらいます」
「ある事?」
「ここでは話がしにくいので、続きは長門さんの部屋についてから……」

そう言ってミクルはシンジの手を取って引っ張ろうとするが、シンジはそれを照れ臭そうに振り払った。

「あら、やっぱり惣流さんじゃないとダメなの?」
「いや、その別にアスカじゃないとダメだってわけじゃ無くて……」

シンジはミクルを傷つけてしまったかと思い、慌てて弁明を始めた。

「でも、惣流さんに手をつかまれたら碇君は振り払う事は出来ないでしょう?」
「そ、それは……」

ミクルに指摘されたシンジは顔を赤くしてうつむいてしまった。

「ごめんなさい、時間が無いから少し急ぎましょう」
「は、はい」

ミクルとシンジは早足で長門ユキの部屋へと向かった……。



<第二新東京市 東中学校>

キョンが東中に到着すると、今まさに学校の塀を乗り越えようとしている当時中学生だったハルヒの姿があった。

「おい!」
「何よ!」

キョンが呼びかけるとハルヒは振り返って大声で答えた。

「あんたが止めたってあたしはやるんだからね!」

ハルヒは塀を乗り越えようとする姿勢を変えないでキョンにそう言い放った。

「いや、おれはお前を止めに来たんじゃない。むしろ、手伝いに来たんだ」
「それって本当!?」

ハルヒの嬉しそうな声が辺りに響いた。
月一つ無い暗がりではキョンからハルヒの表情はよく見えなかったが、喜んでいる様子は感じ取れた。

「はあ、何かやっかいなことになりそうだな……」
「あんたの事を疑っている時間は惜しいわ。さっそく手伝ってもらうわよ!」

そう言ってハルヒは塀の向こうに姿を消した。
キョンもハルヒに続いて塀を飛び越えて学校のグラウンドに侵入した。
そしてハルヒとキョンの二人は汗をかきながら倉庫から石灰の入った袋と一輪車、ライン引きを取り出した。

「疲れたか? 後はおれに任せておけ」

肩で息をしてるハルヒに向かって、キョンがそう声をかけた。

「そう? ……じゃあお願いするわ。んで、あたしの言うとおりに線を引いてくれない?」

キョンはハルヒに優しい言葉をかけた事を少しだけ後悔していた。

「そこ! そのまま真っ直ぐ30メートル!」

ガラガラガラ……

「右に曲がって!」

ガラガラガラ……

「そこに星を10個描く!」

ガラガラガラ……

ハルヒの怒鳴り声とキョンのライン引きを動かす音だけが静かな学校のグラウンドを満たしていた。

「こりゃあ、噂に聞いた東中の落書き事件ってやつじゃないか?」

描いているうちにキョンはハルヒの命令に従って描いていたラインが絵のようになっている事に気がついた。

「細かい仕上げはあたしがするわ。代わって」

キョンはハルヒにライン引きを渡すと、朝礼台にゆっくりと腰掛けた。

「ねえ、あんたは宇宙人や未来人、異世界人、超能力者とか居ると思う?」
「さあ、いてもおかしくないんじゃないか」

キョンが投げやりな感じでそう答えると、ハルヒが驚いてライン引きを地面に落とす音が響いた。

「それって、北高の制服よね。あんたの名前は?」
「……ジョン・スミス」
「ふーん、言いたくないわけ」
「……飲み込みが早くて助かるよ」

するとハルヒは絵の真ん中に立って手を合わせ始めた。

「ありがと、もう帰って良いわよ」
「もしかして、織姫と彦星に向かって願い事をしているのか?」
「……良く分かったわね」
「まあ、今日は七夕だからな。おれの近くにも似たような事をしたやつがいるし」
「へーえ、北高にもそんなことをする人がいるんだ」

そう言ってハルヒは考え込んで黙り込んでしまった。
キョンは黙り込んだハルヒから離れて、合流場所である長門ユキの住んでいるマンションの部屋へと向かう事にした。

「世界を大いに盛り上げる、ジョン・スミスをよろしく!」

去り際にキョンがハルヒに向かって大声でそう言うと、ハルヒはポカンとしてキョンの立ち去った方向を眺めた後、笑顔になった。
そして、また手を合わせて静かに目をつぶって祈りはじめた……。



<第二新東京市 長門ユキの部屋>

キョンとハルヒが東中の校庭のグラウンドで巨大な落書きを書き殴っている頃、ミクルとシンジはユキの部屋を訪問していた。
シンジが驚いたのは、ユキがいつもと変わらない北高の制服姿で出迎えたと言う事だった。

「えっと、長門さんはもう北高に通っているんですか?」

シンジの口から疑問が突いて出た。

「今の私は待機モード。必要に応じて一時的に起動しただけ」
「え?」
「まだ碇君達には話していなかったわね。長門さんは精巧に作られたアンドロイドなの」

ユキの言った言葉の意味が分からず、驚いて固まったシンジにミクルがそっと付け加える。

「アンドロイド?」
「……分類としてはエヴァンゲリオンと同じ人造人間に該当する」
「でも、エヴァより、その……綾波に近い感じがするんだけど……」

シンジがそう言うと、ミクルは嬉しそうな表情を浮かべるが、ユキの視線を見て口をつぐむ。

「私は創造主から使命を受けて未来から時間転移をしてこの時代にやってきた」
「じゃあ、長門さんと朝比奈さんは知り合いだったの?」
「今まで禁則事項だったのでお話出来なかったんですけど、そうなんです」
「でも、未来からタイムスリップすることが出来るなら、本人が来た方が確実だと思うけど……」
「ユキちゃんは時間酔いが激しいから……」

ミクルがそう言うと、ユキは余計な事は言うなといった感じで、遮るように話を始めた。

「任務遂行には過去と未来における情報伝達が出来れば十分。無駄に時間空間の歪みを発生させるべきではない。……それより時間が無い、早く話を始めて」
「そうだったわね、ごめんなさい」

ミクルはペロリと舌を出してユキに謝ると、真剣な顔をしてシンジに話し始めた。

「碇君は白黒の縞模様の球体をした使徒を覚えていますか?」
「え、えっと……」

突然、使徒の事が話題に出てシンジは驚きながらもその事を思い出していた。

「碇君は使徒の黒い影に飲み込まれた時、どんな体験をしたか思い出せますか?」
「うーん、もう一年半も前の事だからよく覚えてないけど……もう一人の自分と話をした様な気がする」

シンジがそう言うと、ミクルは手をパチンと叩いて喜んだ。

「そう、今回は碇君にその時のもう一人の碇君の役をやってもらいます!」
「どういうことですか?」

そのシンジの疑問に答えるようにユキが奥の扉を開くと、そこには椅子が置かれた部屋になっていた。

「あの椅子に座って」

ユキに促されてシンジが椅子に座ると、ひじ掛けに置いた手首はベルトの様なもので固定され、頭に電極のついたような帽子を被らされ、眼鏡の様なもので目隠しされた。

「いきなり何するんだよ!」
「これからあなたの魂を第三新東京市の座標に転送する。それと同時に使徒の虚数空間に干渉を行う」
「ちょっと気持ち悪くなってしまうかもしれませんが、我慢して下さいね」
「あなたに課せられた任務は二つ。過去のあなたと対話して、パニックに陥った彼の思考を正しい方向へ導くこと。そして、エヴァンゲリオン初号機の中に眠る彼女を覚醒させること」

ユキの声と共に、シンジの意識は遠のいて行った……。



<精神世界>

長門ユキの部屋で意識を失ったシンジが目を再び覚ましたのは、電車の車両の中の様な不思議な空間だった。
自分は座席に腰掛けていて、目の前にはもう一人の碇シンジ……過去の碇シンジが暗い顔をしてうつむいて座っていた。

「ねえ、そんな暗い顔でうつむいていたって何も解決しないよ」

未来のシンジが過去のシンジにそう声をかけると、過去のシンジはゆっくりと顔を上げた。

「……誰?」
「碇シンジ、もう一人の僕さ」
「もう一人の僕?」
「僕という存在は常に変化し続けているのさ。過去の僕、今の僕、未来の僕。時間が流れていく限り、無数の僕が存在するだろうね。そしてそれは決して同じ存在じゃない」
「……よくわからないよ」
「君は一体何をそんなに怖がっているんだい?」
「他人に嫌われるのが怖いんだよ!」
「自分が傷つけられることに怯えているんだね」
「悪いのは僕を傷つける他人なんだ!」
「そんなことを言って、実は気がついているんだろう? 嫌われるのは自分にも原因があったって」
「そうだよ、悪いのは自分なんだ。全て自分が悪いんだ」
「そう言って自分を責め続けるのも良くないと思うよ。それじゃ、何も始まらない」
「僕はみんなに褒められたいんだ。優しい言葉をかけて欲しいんだよ」
「それだけのためにこれから生きていくんだ?」
「そうだよ、エヴァに乗ると父さんやミサトさんが誉めてくれるんだ! アスカにだって僕の事バカにさせてやるもんか!」
「そんな自分の気持ちにウソをついたような生き方、疲れない?」
「誰だって、僕のようにエヴァのパイロットになればそう思うはずだよ」
「自分の存在価値はエヴァに乗ることしか無いと思い続けて?」
「みんなが僕の事を気にかけてくれるのもエヴァのパイロットだからだよ」
「……本当にそれだけだと思っているの?」
「そうだよ、今まで僕は誰にも関わらずに一人で生きてきたんだ!」
「それは自分が傷つきたくないから、逃げていただけじゃないのかな」
「うるさい、僕の気持なんかわかるもんか!」
「君は第三新東京市に来て楽しいと思ったこともあったはずだよ」
「うん……楽しいこともあったけど……辛いこともたくさんあったんだ、嫌なことから逃げて何が悪いんだよ!」

そう頭を手で抱えながら叫び声を上げた過去のシンジの姿を見て、未来から来たシンジは失望の溜息をもらした。

「やっぱり、僕がいくら口で諭しても、同じ僕であっても解ってはくれないんだね……」

しかし、過去のシンジの絶望の海に暗く沈んだ精神状態をサルベージするという目的は達成した。
安心した未来から来たシンジは、今度はエヴァンゲリオン初号機のコアの中に眠る自分の母親に向かって念じ始めた。

「ねえ、母さん。そこに居るんでしょう? お願い、僕を助けてよ!」

未来から来たシンジが呼びかけてからしばらくすると、視界が真っ白に染まって行くのが分かった。
それは柔らかな光となり、空間内を満たして行く。
そして空間は消滅し、未来から来たシンジは再び意識が遠退くのを感じた……。



<第二新東京市 長門ユキの部屋>

「碇君、お疲れ様」

ミクルの声にシンジが目を開くと、そこは意識を失う前に座っていた奥の部屋の椅子だった。

「……何やら大変だったらしいな」

シンジの精神が使徒の虚数空間に飛ばされてから時間が経ったのだろう、部屋にはキョンも到着していた。

「お茶、いれたから」

ユキがそう言うと、シンジは椅子から立ち上がって、他の面々と一緒にユキの部屋のリビングへ行くことになった。

「これでキョン君と碇君がすべき事は無事に終わりました。私も上手く行ってホッとしています」

ユキにいれてもらったお茶を飲みながら、ミクルは安心した顔でそう言った。

「しかしハルヒのやつ、学校のグラウンドにあんな落書きをするなんて、はた迷惑なヤツだな」

キョンが疲れた顔でそうぼやくと、ミクルは何がおかしいのか笑い出した。

「涼宮さんは、お母さんとお父さんを仲直りさせるために願い事をしたんですよ」
「仲直り?」
「涼宮さんのお父さんは、ネルフのE計画の責任者として外国の支部を回っていると言う事は、キョン君はもう知ってますよね?」
「ええっ、あの覆面を被った人が涼宮さんの父さんじゃないの?」

ミクルの話にシンジは驚いた。

「親父さんが側に居なくて寂しいのと、面白いからって理由でウソをついたんだとよ」

キョンが溜息交じりにそう言葉を吐きだした。

「七夕の日に涼宮さんのお父さんが久しぶりに家に帰って来て、お母さんとケンカしたみたいなの。それで涼宮さんは傷ついたみたいよ、織姫と彦星は一年に一度しか会えない日に仲良くしているのに、って」
「しかし、涼宮ハルヒの描いた絵は不思議な力を持ち、予想外の結果をもたらした」
「どういうことだ?」

ユキが呟いた言葉に、キョンが聞き返した。

「あの絵のエナジーは世界に向かって照射され、使徒にも知恵を与えてしまった。……人の心に干渉すると言う能力」
「だからあの後から人の心に興味を持つ使徒が出てくるようになったんです」

ユキとミクルの言葉にシンジはショックを受けた様子だった。

「じゃあ、アスカや綾波を苦しめた使徒が出てきたのは……涼宮さんの絵のせいだっていうの……?」
「涼宮さんを責めないでください碇君。あの絵がそのような力を持ったのは涼宮さんの望んだことじゃないんです」
「我々は過去にごく限定的に関わることしか許されていない。そうしなければ歴史というものが成立しなくなる」

ミクルとユキにそう言われたシンジはしばらく考え込んだ後、その怒りを腹の中に飲み込んだ。

「そうだね、何でも自分の都合の良いように変えるわけにはいかないんだよね」
「碇君……」

落ち着いたシンジの様子に、ミクルはとりあえず安心したようだった。

「じゃあもう役目は終わったし、おれ達は帰るのか?」
「そうですね、行きと同じ方法で帰ります」
「あんまり何度も体験したくない方法だなあ……」

キョンの質問に対するミクルの答えにシンジはそう言って溜息をついた。



<部活棟 文芸部(SSS団)部室>

その頃、部室では消えたキョン、シンジ、ミクルの手がかりを探すために、一旦家に帰ったSSS団の団員達が集められていた。

「人が煙のように消えるなんて話は信じられないな」
「本当にそうなんだから、仕方が無いじゃない! シンジに電話しても繋がらないのよ!」

カヲルにそう言われたアスカは怒った様子でそう言い返した。

「確かに、三人とも連絡がつかないと言うのはおかしい話よね」
「碇君……」

ミサトもそう呟いて考え込む仕草をした。
レイも心配そうな顔をしている。

「大丈夫、しばらくしたら三人は戻ってくる、問題無い」

ユキは何度となく平然とこの言葉を繰り返しているが、アスカがいくら理由を聞いても答えようとしない。

「まあ、ユキちゃんもこう言っているし、しばらく待ってみましょうよ」

ミサトにそう言われて抑えていたアスカだが、すぐに我慢の限界が来てしまったようだ。

「ユキ、いったいいつになったらシンジ達は帰ってくるのよ!? 何時何分何秒!」
「後、3分28秒後に三人は戻ってくる」
「何でそれを早く言わないのよ!」
「……その形式で質問されなかったから」

アスカとユキが言い争っていると、突然何も無かったところからキョン、シンジ、ミクルの三人が姿を現した。
ミクルの姿はいつもの高校生の姿に戻っている。

「シンジ、勝手に姿を消すんじゃないわよ!」
「ご、ごめん」

少し瞳が潤んでいたアスカを見て、シンジは謝った。

「あなた達三人は36分55秒姿を消していた」
「長いのか短いのか分からない時間だね」

ユキの言葉を聞いてカヲルはそんな感想を述べた。
とりあえず、三人が戻ってきた事で安心した雰囲気に包まれる部室内。
ハルヒはキョンに向かっていつものように罰金として団員全員の夕食代をおごることを命じた。

「何でおればっかり……今回は三人で負担するんじゃないのか?」
「うるさい!」

とりあえず、ハルヒとアスカによって呼び戻された団員達もそろって夕食を食べるためにいつものたまり場となっている店へと行くことになった。
ぞろぞろと部屋から団員達が出て行き、最後の二人になったハルヒとキョン。

「うわっ、いきなり何するんだよ」

二人きりになった途端、キョンはハルヒに胸倉をつかまれた。

「いい? 今度神隠しに会う時は、団長のあたしの許可を取ってから行方不明になるのよ!」
「そ、そうは言っても突然行方不明になるから神隠しって言うんだろ……」

キョンがそう答えると、ハルヒは不機嫌な様子でキョンから手を離した。
そして肩を怒らせたまま、部室から出て行く。

「惣流の取り乱した様子にばかり目が行ってしまったが……ハルヒもおれが居なくなったことに動揺してくれたのかな」

キョンはそう呟くと、ハルヒの後を追って部室を出て行った。