本殿や拝殿などを焼失した広島市南区の邇保姫(にほひめ)神社で25日、拝殿の「工匠(こうしょう)の儀」があった。住民たち約250人が棟上げを祝い、再建工事の無事を祈った。
拝殿は骨組みが出来上がり、地上12メートルの最も高い部分に棟木が据えられた。約1400年前から続く工匠の儀では、烏帽子(えぼし)姿の棟梁(とうりょう)の合図で、参加者が5色の綱を引き、棟上げ作業を再現した。
計画では拝殿は広さ約250平方メートル。社務所、トイレと一緒に今年11月末の完成を目指す。本殿の再建工事はまだ始まっていない。
同神社は2007年9月に不審火で拝殿や本殿などを全焼した。住民は08年4月「復興造営事業奉賛会」を結成。再建費用約5億3千万円のうち、約4億9千万円を集めた。
【写真説明】棟梁の掛け声に合わせ、拝殿前で綱を引く住民たち
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