●プロのまんが家になる第一歩です
"どうしたら『まんが』がうまく描けるようになるのですか?"
新コミHPに寄せられる中で一番多いのが、この質問です。でもこの質問には一言では答えられません。まんがは絵・ストーリー・構成…など、さまざまな技術やセンスからなりたっているからです。読者を納得させるには、一つだけではなく、必要なすべてに習熟することが求められるのです。
この「まんが家養成講座」では、まったくの初心者でも"新人コミック大賞に入賞"し、"プロのまんが家になる"ことを目標に、まんがの描き方を紹介していきます。連載が進むにつれ、内容は次第に高度になっていきますが、今まで一度もまんがを描いたことのない人にも、わかりやすいようにお話しするつもりです。この養成講座をきっかけに、ぜひプロのまんが家を目指してください。
●かんたん"まんが用語"をおぼえよう!
では今回から初級編のスタートです。第1回は、まんがを描くときによく使われる言葉について紹介しましょう。もちろんここで解説するもの以外にも、まんがの専門用語はたくさんありますが、それはおいおい紹介します。ここでは一番基本のものをピックアップしてみました。下のサンプルまんがを見てください。
(1)コマ
まんがのひとつひとつの場面(シーン)をコマといいます。この1ページは全部で5コマですね。内容にもよりますが、1ページに入るコマを多くしすぎると、読みづらくなってしまいます。
(2)ワク線
コマをこの枠(わく)で囲って、コマとコマを離して、読みやすくします。あえてこのワク線を描かない場合もあります。サンプルまんがの2コマ目がそうですね。ワク線の基本は四角ですが、斜めにしたり、ページの上下左右で切ったりすることもあります。
(3)フキダシ
登場人物がしゃべっているセリフを囲っているのがフキダシです。楕円形が基本ですが、怒鳴ったりする場合はこの形を変えて、強調したりします。5コマ目の女の子のフキダシがそうですね。
(4)キャラ(キャラクター)
登場する人物のことをキャラ(キャラクターの略)といいます。絵の中で一番の華ですね。
(5)背景(バック)
後ろに描かれている絵のことです。1コマ目や4コマ目などは効果線をつかった背景。5コマ目は廊下の背景です。背景で登場人物の気持ちを表現したり、登場人物が今、どこにいるのかをわかりやすくしたりします。
(6)トーン
柄や模様、濃淡が印刷されたシールのような素材です。カッターナイフなどで切り出して、人物の濃い部分や背景に貼り付けます。サンプルまんがの人物の服などはすべてトーンです。
(7)描き文字
ペンで描いた文字のことです。フキダシを使わずに、効果音などを表現したいときなどに使います。3コマ目の「うんうん」や4コマ目の「ゴゴゴゴ」が描き文字です。
(8)セリフ(ネーム)
フキダシの中の文字です。実際のまんがでは、写植という専用の文字を使います。応募まんがでは、このセリフは鉛筆で描くようにしてください。
(9)ベタ(黒ベタ)
髪の毛など、黒で塗りつぶすことを「ベタにする」とか「ベタで塗る」といいます。筆や太めのサインペンが使われることが多いですね。
ということで、基本のまんが用語について紹介しました。わからないことがあれば、新コミHPのQ&Aに質問をください。この養成講座上でも解説していきたいと思います。
なお、次回は、このサンプルまんがを例に、"1ページのまんがが描き上がるまで"を紹介する予定です。お楽しみに!(更新は6月12日(月)予定)
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