参院選で12ある2人区はこれまで民主と自民が議席を分け合ってきた。民主は今回、共倒れのリスクがあるにもかかわらず、2人擁立を目指した。比例票の掘り起こしにもつながると、小沢一郎前幹事長が主導。「脱小沢」を志した新執行部は見直しを検討したが、各マスコミの世論調査で内閣や党の支持率が高いことから、この方針を踏襲した。
だが静岡、長野、京都などの8選挙区では、小沢氏が強引に新顔を擁立したことに、地方組織や地元連合が反発した。地元が支援する候補は平均56歳で全員男性、小沢氏が立てた候補は平均39歳で7人が女性。互いにしのぎを削っている。
また福岡の2人目は、民主と社民が推薦する無所属候補だが、国民新も自民を離党した現職を擁立。与党の公認・推薦で3人と改選数より多い。新潟では社民現職を民主が推薦するはずだったが、社民の連立離脱で構想が崩れた。
自民は手堅く1議席を狙う。党本部推薦候補が立ち、県連と分裂選挙になる宮城以外、公認は各選挙区1人だ。
3人区の5選挙区、5人区の東京でも民主はすべて2人擁立。自民は東京、千葉以外は1人に絞り込んだ。
新党の動きも活発だ。みんなの党は21、新党改革は7選挙区で擁立。ともに4選挙区で公認を立てるたちあがれ日本と日本創新党は青森、茨城、千葉、神奈川、大阪で互いの候補を推薦するなど共闘の動きもみられる。
07年に五つの複数区に擁立しながら2議席しか取れなかった公明は東京、埼玉、大阪に候補者を絞った。共産は無所属推薦候補の出る沖縄以外の46選挙区すべてで公認を立てる。国民新は東京、福岡で議席を目指す。社民は公認・推薦を含め12人を立てる。