Updated: Tokyo  2010/06/25 22:20  |  New York  2010/06/25 09:20  |  London  2010/06/25 14:20
 

参院選公示、消費税めぐり論戦へ-与党の過半数維持焦点(Update3)

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  6月24日(ブルームバーグ):参院選が24日公示され、7月11日の投開票日に向けた選挙戦が正式にスタートした。民主、国民新の連立与党が非改選と合わせた参院の過半数を維持できるかが焦点。過半数割れの事態になれば、野党が参院の多数を占める「ねじれ国会」が再現され、政局は不安定化する。選挙期間中は菅直人首相(民主党代表)が超党派の議論を呼び掛けている消費税の増税問題などをめぐり、全国各地で論戦が展開されそうだ。

  昨年9月の政権交代後、初めての本格的な国政選挙となる参院選では定数242のうち、121議席が改選される。民主、国民新両党などの与党会派の非改選組は66議席。このため、過半数維持には与党系で56議席以上の確保が必要となる。菅首相は同党単独での改選議席数である54を上回ることを目標に掲げ、国民新党とあわせた過半数確保を狙う。

  首相は24日午前、大阪市内で街頭演説し、日本の財政再建に関して「ギリシャでは一般の人たちの年金や給料がカットされた。お金持ちだけが被害を受けるのならいいが、これが財政破たんの実態だ。これはなんとしても避けたい」と述べ、消費税の増税論議への理解を求めた。

  これに対し、自民党の谷垣禎一総裁は甲府市内での街頭演説で、「民主党政権に歯止めをかけるのが自民党に課せられた使命だ」と訴えた。谷垣氏の発言はTBSが昼のニュースで放映した。

                消費税

  消費税の引き上げに関しては、超党派の協議を呼び掛ける民主に対し、自民が当面10%、たちあがれ日本が2012年度から8%、新党改革は2020年ごろには10%以上、と必要な税率を選挙公約に明記。公明党は社会保障費の安定財源確保のための消費税を含む税制抜本改革を行う方針は示している。

  これに対し、連立与党の国民新党は18日に党公式サイト上に掲載した見解で「わが国は経済の治癒過程のただ中にあり、ただちに増税を決断できる局面ではない」と早期の増税論議開始に慎重だ。共産、社民両党は消費税増税そのものに反対で、みんなの党は増税の前に国会議員や公務員の削減や給与カットなどが必要と訴えている。

  みずほ証券の飯塚尚己シニアエコノミストは日本の経済財政政策について「日本が直面している最大の問題はデフレだ。財政再建の第1段階はデフレ脱却による名目成長の回復、第2段階は特別会計も含めた歳出の再分配、第3段階は総量としての歳出削減、第4段階は増税というのが望ましい在り方だ」と述べ、増税よりもデフレ脱却に最優先で取り組むべきだとの認識を示した。

               過半数

  産経新聞が22日の電子版などで公表した同社とFNN(フジニュースネットワーク)の世論調査(19、20両日実施)によると、比例代表の投票先として民主党を挙げた人が42.4%に達した。これに対し、自民党と回答した人は17.5%で、みんなの党が9.7%、公明党が5.2%の順番になっており、民主党が他党を大きく引き離している。

  一方、朝日新聞が21日の電子版に掲載した19、20両日に行った調査では、菅内閣の支持率は50%と1週間前の調査の59%(12、13両日)から下落。参院比例代表の投票先も民主党は36%と前回の43%から大幅に減らした。

  政治評論家の森田実氏は参院選の情勢について「与党はよくて全体で50議席。自民党も40議席台で勝者なき選挙になるだろう」と指摘。与党が苦戦する要因について「菅首相の人気は消費税で止まった。消費税のイメージを薄めようと必死になっているがもう引っ込みはつかない。自民党にも責任を負わせようとしたやり方も良質な有権者の支持を失うことにつながっている」と分析している。

  こうした中、菅首相は24日夜、NHKのニュース番組に出演し「54議席以上」とする目標議席に達しなかった場合の自らの責任について「日本の首相が毎年のように代わってしまうことで日本の政治、外交は弱い政治、弱い外交になった。参院選で議席を大きく伸ばしたいとは思っているが、すぐにあきらめてしまうということはまったく考えていない」と語った。

  民主党は47選挙区のうち沖縄を除く46選挙区に計61人、自民党は全47選挙区に計49人、比例代表には民主が45人、自民が35人を擁立する。共同通信によると、選挙区、比例代表を合わせ計438人(選挙区251人、比例代表187人)が立候補を届け出た。

  ブルームバーグ・ニュースが23日までに主要9政党に確認した立候補予定者数は以下の通り。

  民主106(選挙区61、比例45)、自民84(選挙区49、比例35)、公明20(選挙区3、比例17)、共産64(選挙区46、比例18)、社民14(選挙区8、比例6)、国民新9(選挙区2、比例7)、みんなの党44(選挙区21、比例23)、新党改革12(選挙区7、比例5)、たちあがれ日本14(選挙区4、比例10)

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 広川高史 Takashi Hirokawa thirokawa@bloomberg.net

更新日時: 2010/06/24 20:01 JST
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