(W杯24日、日本3―1デンマーク)
午前3時半キックオフの「早朝決戦」。眠気も吹き飛ぶ快勝だった。
東京・六本木のTOHOシネマズでのパブリックビューイング(PV)。東京都目黒区の会社員小野真江さん(36)は「いったん帰宅し、お風呂に入って仮眠した後、終電で来た。今日も休まず出勤します」。
東京・神宮前の「nakata.net cafe」では約250人が総立ちで観戦。本田圭佑選手がFKを直接決めると、みな両手を突き上げて歓声を上げ、涙を流す人も。東京都中野区の大学生重川沙耶さん(21)は「就職活動で大変だけど、代表に活力と勢いをもらった」。
明け方、東京・渋谷駅前のスクランブル交差点には3千人を超える若者が集った。青信号のたびに横断歩道の両端から駆け出し、見知らぬ者同士でハイタッチを交わした。
「ニッポン」「ホンダ」とコールが繰り返される。「試合は終わっています。ブブゼラを吹かないでください」と警官が何度も呼びかけた。
シャンパンを群衆にかけた20歳代の男性会社員は警官に取り押さえられ、交番で始末書を書く始末。交差点を裸足で渡りながら「今日も9時から会社」と頭をかいた。
JR新宿駅東口前の広場でも、300人以上が「ニッポン」コールの大合唱。警官が「うれしいのはわかるけれど、もう朝です。解散しましょう」と拡声機で呼びかけた。
大阪・ミナミの戎(えびす)橋では約100人が道頓堀川に飛び込んだ。花火を打ち上げる人も。
午前6時。渋谷駅発の東急東横線下り列車に乗った青いユニホーム姿の男女3人組はほろ酔い気味。「うちの会社は、今日はワールドカップ有給。ほとんど午前休をとってるよ」「おれはこれから家帰って1時間寝て出勤だよ」
池袋西口公園脇にある参院選のポスター掲示場の前。男性会社員は「世の中、サッカー一色だ。選挙の影が薄くなっちゃうな」とつぶやいた。