シー・シェパード事件で火花　オランダ『日本にも非』

　【アガディール＝内田康】米国の反捕鯨団体「シー・シェパード」による日本の調査捕鯨妨害について、二十三日のＩＷＣ年次総会で反捕鯨国のオランダ代表が「日本にも事前に自重を求めていたのに、無視された」などと述べ、事件の要因が日本にもあるとの認識を表明した。日本政府は「攻撃されたのはわれわれの方だ。不法行為を行っている団体と同列に扱われるのは受け入れられない」と反発した。

　シー・シェパードの抗議船二隻はオランダ船籍。総会で妨害事件が取り上げられた際、オランダ代表は「事件への懸念をＩＷＣ加盟国と共有する」と述べる一方、「日本が調査捕鯨を続ける限り、抗議活動は続くだろう」とも予告した。これに対し、捕鯨国のノルウェーやアイスランドも「抗議船が属する国なのに、ろくに捜査もしないことが理解できない」などとオランダに抗議。一部の国が拍手で賛意を示すなど、捕鯨支持国、反捕鯨国の根深い対立が浮き彫りになった。