非鉄関連
1997年9月13日
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  1. 三井金属、亜鉛建値を8000円引下げ23万7000円に

  2. 米国アルミ製品出荷―1〜7月は10.3%増加

  3. 昭和アルミが新製品発売―テラスとカーポート

  4. 米カイザーアルミ、板とコイルを値上げ

  5. 関東故銅市況―銅建値不安から弱ムード広がる

  6. 関西故銅市況―銅系から先安気配



三井金属、亜鉛建値を8000円引下げ23万7000円に


井金属は12日、亜鉛地金建値をトン当たり8000円引き下げて23万7000円にすると発表した。今月4日に建値を7000円引き上げたばかりだが、海外相場の軟化と円高を反映させた。これにより月間平均建値は24万4000円から23万9600円に下がった。同業他社も追随した。

 取引指標となるLME亜鉛相場(現地10日)は現物1650ドル、プレミアムを100ドルとして21万1400円。関税5780円と諸掛かり費1万8000円を足して約23万7000円。

 同社はこれに伴いダイカスト用亜鉛合金販価も8000円引き下げた。販売価格はZACbP=27万5000円、同bQ=28万5000円、ZAS=29万5000円。

 9月のLME亜鉛相場は現地3日に現物1684ドルと高値をつけたが、その後はLME在庫増を背景とした売り圧力に後退している。


米国アルミ製品出荷―1〜7月は10.3%増加


米アルミ流通協会(NAAD)がまとめた米国内サービスセンターの1―7月アルミ製品出荷は前年同期比10.3%増加した。


昭和アルミが新製品発売―テラスとカーポート


和アルミニウムは9月から、テラスの新製品「ウィンディ」およびカーポートの新製品「グレートポート」の販売を開始した。初年度販売目標は「ウィンディ」が1万台、「グレートポート」が5000台。

 「ウィンディ」は既存品「アペリア」の普及版として開発されたもので、屋根はポピュラーなアール形状に限定、サイズも出幅は4尺(屋根部1413ミリ、柱部1200ミリ)から6尺(同2013ミリ、1800ミリ)までとし、市場ニーズに沿った売れ筋サイズとした。

 また、間口・奥行両方向の柱移動が特別な部材を使わずに可能で、2階のベランダへの設置も安全にできるよう配慮した。販売価格は10万7000−29万5000円。

 「グレートポート」は、同社独自の拡張合掌(実用新案)技術を生かした上吊り構造が特徴。ウルトラワイドタイプでは最大間口8メートルで並列駐車3台が楽に可能となった。

 また、1台用の単棟タイプ、並列駐車2台の合掌タイプ、直列駐車2台の直列連棟タイプなどもあり、サイズバリエーションは豊富に用意されている。

 間口2401ミリから8000ミリ、奥行5100ミリ、最大高さ2820ミリから3056ミリまである。販売価格は30万―133万6000円。


米カイザーアルミ、板とコイルを値上げ


カイザー・アルミナム社は10日、アルミ熱処理板およびコイルの販売価格を9日受注分、98年1月5日出荷分より引き上げると発表した。値上げ幅は2000系、7000系合金板が8%、コイルが5%。606一合金板およびコイルが5%。


関東故銅市況―銅建値不安から弱ムード広がる


東地区故銅市況は、弱ムードが広がってきた。週末環境のなか取引は低調、同値圏内の動きとなっているが、来週明けは全面安の恐れもある。

 市中の大きな弱材料は、国内産銅建値と黄銅棒メーカー各社の購入価格が、ともに先行き不透明にある点。

 来週明け決定の関西大手黄銅棒メーカー黄銅削り粉購入価格は、「横ばいの可能性もある」と指摘される一方、キロ5円安程度の下げ予想が大勢。

 この直後に国内産銅建値(現行トン30万円)が下方に向かえば、これまでの銅安亜鉛高の構図が、全面安へと変わる。

 原料需要は、市中がタイトな状態にあるとはいえ、製品受注は減少傾向をたどっており、今後の成り行きは見極め難。このまま弱材料が台頭してくるか、内外動向が注視される。

 東京都区部および関東エリアの直納クラスにおける主要品種別動向は次の通り(原則いずれも希望価格)。

 ▽一号銅線=売り260円台後半。買い255円。

 ▽黄銅削り粉=売り190円前後。買い180円台前半から半ば。


関西故銅市況―銅系から先安気配


末12日の関西地区故銅市況は、海外銅相場の下放れに亜鉛建値の引き下げが重なり、買い手から再び気配が冷え込んだ。市中では週末環境と売り物薄のもとで、「産銅建値や週明け16日のN社の原料買値の動向をみたい」との空気から実勢安は免れたが、悪行きは避けられないムードだ。

 当日入電の海外相場は、NY銅から大きく崩れた。そのNY銅は株式相場の続急落も響き、当限で前日比2.7セント安の93.6セントと前月14日の安値に顔を合わせるとともに、昨年11月以来の低水準。また、LME銅も前場こそ2100ドル台をキープしたが、後場で2080ドル(現物後場買値)と一気に2100ドル台割れへ急落して同じく昨年11月以来の安値圏へと底割れた。この結果、為替が再びジリジリと円安に移行しているにもかかわらず、輸入採算価格はLME銅現物後場買値ベースでトン29万4868円、NY銅で29万2469円(ともに諸掛かり込み)と前日からトン4000〜6000円も目減り、「13日および16日入電次第では産銅建値(現行トン30万円)が再び引き下げられる恐れが出てきた」(直納問屋)。







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