強盗殺人等:清田龍也 「なんでこんな事するんですか?」(3/3)
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つづきです
B子さん事件について検察官から引き続き質問です。
「人がいるとは思っていましたか?」
「入る時はそう思いましたが、外から見て、人影がなかったので、留守だと思って入りました」
「その後、あなたB子さんを強姦しますよね。この当時、夫婦の性生活は?」
「なかったと思います…」
その後、どれくらい妻とセックスしてなかったのか細かく聞いておりました。
その間の性欲処理は、と、まあもう根掘り葉掘り聞かれて
「風俗で処理…」
と小さな声で言っていました。
「月に1度とかですか?」
「…時間とか、いろいろあるので…」
「あなた、お金に困っても風俗へ行くんですね」
被告人は何も答えませんでした。
「あなた、B子さんに泣きながら謝罪しましたね。もうしない、と誓ったのに、平成18年9月、そして平成19年と、繰り返してますよね。誓った事忘れたの?」
「…忘れてしまったわけではありません…」
被告人の誓いは誓いじゃなかったということなんでしょうか…
「平成18年9月の事件…9月22日のCさんのマンションは、B子さんの部屋の隣ですね。盗みをする場所としてここがいいとか何か考えた?」
「特に…」
「Cさんの部屋までベランダからジャンプして飛び移ったんですよね。怖くなかったんですか?」
「そこは…(聞き取れず)」
「そこまでして金が欲しかったという事なんですか?」
「ハイ…」
引き続きA子さん事件のことに質問は移り、同じようなことを聞いていました。
その後は借金について色々聞かれており、ホントにパチンコにのめり込んで金を使いまくっていた様子が明らかになっておりました。
そして最後に
「命かけても罪を償いたいと言っていますが、死刑を望むの?」
「望む気持ちもあるのと、望まない気持ちとあって…」
と、弁護人に言ったこととは若干違うことを言って、検察官からの質問は終了しました。
弁護人からの補充質問のあとはいよいよ裁判官たちからの質問です。
左陪席裁判官からです。長いので抜粋ってかんじで…
「あなた、渡辺さんを殺害した後にATMに行って、そのあと、帰って来て、朝まで部屋にいましたね。なぜですか?」
「…明確な答えは出ないんですが、ぼーっとしていました」
「A子さん事件のときも長時間部屋にいましたね。その理由は?」
「元妻が家にいる時間とか…」←たぶん元妻を避けていたという意図のようです
「渡辺さんのときにはそういう理由があったんですか?」
「そういう理由はないです」
「B子さんのとき朝まで部屋にいたのはなぜですか?」
「私としては、今思えば、すぐ立ち去るのが一番なんですが、当時、なんというか、申し訳ない思いを伝えたいというか、そういう思いで、謝りたいと、残って話したんだと思います」
「あなた平成17年にB子さん事件を起こして、その直後、涙ながらに謝ってる。平成18年、窃盗、強盗未遂のときも、説教されて涙ながらに謝ってますよね。二度も反省して、再び犯行…なぜなんですか?」←全くもってその通りです!
「え〜、、、自分の中で、借金のことや、自分を追いつめることばかりしていて、本当に申し訳ない気持ちはあるんですが、金という重圧に負けてしまった…」
「金という重圧、その原因を作ったのは自分自身ではないんですか?」←全くもってその通りです!
「それは、そうです。十分わかりますが、妻や子供に迷惑がかかると…」
「パチンコをやめられなかったのはなぜですか?」
「借金できてからは、これで直すしかしょうがないという思いでやっていました…」
パチンコで金を作ろうと本気で思っていたようです。
「そんな上手い話、あると思いますか?」←本当に、その通りです!!!
「ないと思いますが、当時はそう思っていました…」
「なぜ?」←食い込みます!
「答えはでないですけど…」
左陪席裁判官の質問、さすがでした!
引き続き裁判長の質問です!(この裁判最大の見せ場でした)
「端的に聞きますが…(←この言葉大好きです)
渡辺さん事件のとき、最後に首を絞めてるとき、手加減した記憶はありますか?」
「ないです」
「遺体を見ると、強い圧迫痕…背中にまで服のあとが残るほどの押さえ方なんですよ。本当にチカラを入れた記憶はないの?」
「そういう記憶はないです」
めっちゃ強く絞めてるってことが分かりました。
「A子さん、B子さんを強姦した理由…性欲の解消という以外には?」
「ただ単に欲情しただけと思います…」
「要するに、金目当てで入ったんですよね。なのに2人を陵辱…これはなぜなんですか?」
「…なぜと言われても、自分としては魔が差したと言うか…」
「渡辺さんに対してもね、亡くなった事を確認するために、辱めるようなことをしてる。なぜ、こんなことすんの?」
「私としては、なぜと言われても…説明はできないです」
計画も立てずに金を借りまくって、返せなくなったから盗みに入って、女がいたから犯す…普通に教育を受けて育った人間とは思えない犯行です。
「金品強取したあと、被害者を愚弄することはないですよね?」
「はい」
「それをあえて、なぜ、こんな事をするのか、確認したいんです」
「A子さん、B子さんに関しては、魔が差した…相手の事を気づかう気持ちを持てず、ただ単に欲情してしまったんだと思いますし、渡辺さんのことでは、自分の中ではやってることはヒドいですが、自分の中で、性的欲求解消の気持ちでやったわけではないです」
「しかし、強姦の話に絡めて言ってるんですよ。渡辺さんを愚弄してることは間違いないですよ。なんでこんな事するんですか?」
「それは本当に申し訳ない…」
一連の質問で、裁判長の怒りが伝わってきました。
「渡辺さんはじめ、被害者の方々に対して、今、どんな思いなんですか?」
「…私自身、身勝手な重いや、行動から、本当に、取り返しのつかない事をしてしまったと思っています。とても、ひどいことを…卑劣なことをしたり、怖い思いをさせたり、それと、人が人として、やってはいけない、ひどいことをしてしまったと…ホンットに申し訳ないと…」
本当に本気で言ってるんでしょうか!?
被告人質問はここで終わり、弁護人から不同意が出て採用が留保になっていた乙号証の一部を採用するかどうするか、合議が入りました。
合議の結果、採用ということになり、検察官から要旨告知がありました。
乙13号証、乙20号証という名前でしたが、渡辺さん事件に関する被告人の調書のようです。
○乙13号証
「トイレから出て来た渡辺さんを見て、今回の事件が発覚してしまうと思いました。逃げられても金が取れない。逃がしてはいけないと、顔を殴ったりしました。
何回も拳で殴ったり、強く踏みつけたり、馬乗りになって殴ったり首を絞めたり、3〜4回足をおさえたりしました。
それでも、騒いでいるので、何としても静かにさせようとしましたが、どうしても大人しくならない渡辺さんに腹が立って、頭に血がのぼってしまいました。
私は手加減せずに力を入れて首を絞めました。
とにかく、静かにしてくれという思いで絞め続けました。
お願いだから静かにして、と、何度も言いました。
静かになったので、死んだと思いました」
(乙20号証はメモが不完全だったので書くのを控えさせていただきます)
なるほど弁護人が不同意にしたくなるのも分かる証拠でした。
これからこの裁判は精神鑑定の採否、採用されれば鑑定人尋問、そうでなければ論告と続いていく予定です。
精神鑑定…必要あるのかと考えたら、全く必要なさそうなんですが…
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