【社説】あなたたちは本当に大韓民国の国会議員か

 国会国防委員会は23日、哨戒艦「天安」沈没事件に関連し、「北朝鮮による天安艦に対する軍事挑発糾弾および対応措置要求決議案」を可決した。同決議案は「北朝鮮による『天安』攻撃は明確な侵略行為で犯罪行為だ」と批判した上で、北朝鮮に「心からの謝罪と責任者の処罰、賠償、再発防止措置の確約」を求める内容だ。決議案の最後には、「『天安』事件にすべての国民が団結して対処するため、超党派の努力を傾ける」とする国会自らの決意も盛り込まれている。

 しかし、同決議案の審議過程では、超党派での対応が取れなかった。民主党は「政府の調査結果に疑惑がある以上、国会決議案の採択は時期尚早だ」との反対姿勢を崩さなかった。それでもこの決議案が「満場一致」で可決されたのは、国防委の元裕哲(ウォン・ユチョル)委員長(ハンナラ党)が1時間の審議後、「決議案処理に異議はないか」と尋ね、民主党に異議を申し立てる余裕すら与えず、委員会通過を宣言してしまったからだ。国会は28日ごろ、本会議で同決議案の採決を行う予定だ。

 韓国国会は、この不完全で恥ずかしい決議案を作成するのに89日間を要した。世界約80カ国の政府、国家指導者、国際機関が既に北朝鮮を批判している状況で、遅ればせながら韓国国会が非難の声を上げた格好だ。

 国民はそんな国会の姿を見て、「これが休戦ラインを挟んで南北200万の兵力が対峙(たいじ)している国の国会なのか」「国家の存亡がかかった危機に対し、速やかに効率的な対応を取り、危機を克服できるのか」という疑問を持つのは当然のことだ。

 世界史は国家の危機で政争に明け暮れ、右往左往した政府、国会、国民の墓場だ。韓国は60年前にそんな失敗の道を歩み、数百万人の国民の命と財産が灰と化した。400年前には派閥勢力ごとに敵情報告の内容すら食い違い、数十万人の市民の耳や鼻が異民族にそがれるという恥辱を味わった。庶民は逃げていく高級官僚の行列に向かって石を投げつけた。

 韓国政界は地方選挙を有利に戦うことにばかり没頭し、国会決議案一つすら提出できなかった。韓国国民の3分の2は、韓国戦争(朝鮮戦争)や壬辰倭乱(文禄・慶長の役)を思い浮かべ、心中では政界に石を投げつけたい気持ちだ。国民は「あなたたちは本当に大韓民国の国会議員なのか」と胸ぐらをつかんで問い掛けている。

【ニュース特集】哨戒艦「天安」沈没

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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