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【ドラニュース】


チェン7敗

2010年6月25日 紙面から

◆横浜5−2中日

 もがいている。そして懸命にあがいている。それでもチェンは泥沼から抜け出せない。5イニング5失点で18日の巨人戦(東京ドーム)に続く黒星。ヤクルトの石川に次ぎ、リーグ2位の今季7敗目(4勝)となった。

 「球が走らなかったし、肝心なところで甘くなってしまった」

 昨季は3勝無敗、防御率0・49と得意だった横浜戦。通算でも登板14試合で黒星は1度だけだが、今季初対戦で壮絶に散った。2回にスレッジに先制15号ソロを浴びると、4回にもスレッジに16号2ランを右翼席へ。「まっすぐが甘くなった」。1試合で同一打者に2本塁打以上を浴びるのは、来日7年目にして初めての記録でもある。

 5回には2本のタイムリーを浴び、この回限りで交代を告げられた。

 まだ浮上しきってないとはいえ、一時期の絶不調は脱してきた。きっかけは6イニング無失点で勝ち投手になった10日の楽天戦(Kスタ宮城)。実は、この試合から投球への意識を変えていた。柔から剛へ。課題の制球をあえて気にせず、左腕を全力で振るようにした。

 「制球も大切ですが、持ち味はまっすぐなので。開き直って腕を振りにいったら、かえって制球もよくなったんです。(球威も)戻ってきたんです。多少ですけど」

 その後は、まだ白星がない。でも手応えは得ている。この日の最速は149キロ。もがき、あがいた結果。そして新たな課題も見つかった。「きょうは2回から腕が横振りになっていて。それでは相手に見やすいし、球威も弱くなってしまう」。左腕が上からではなく、横から出る悪癖が顔をのぞかせたという。試合後、近藤投手コーチら首脳陣と相談し、克服の方法を話し合った。ビデオで研究もした。向かうべき方向は分かってきた。

 「時間はかかるかも知れませんが、修正できると思うので。敗因は横振り? それしか考えられない」。負けたとはいえ、収穫はあった。両目に水面の浮具は見えている。つかみかけている。初タイトルを獲得した昨年のような波に再び、きっと乗れる。 (清水裕介)

 

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