「ひやむぎ」と「そうめん」の違いって？

これからの暑い季節に食べたくなるのは「冷やしそうめん」などのさっぱりとした麺料理ですが、みなさん、「そうめん」と「ひやむぎ」の違いはご存じですか？教えて！gooにも、

「『ひやむぎ』と『そうめん』は何が違うのでしょうか？」

という質問が投稿されています。「そうめん」と「にゅうめん」の違いならわかるのですが、「そうめん」と「ひやむぎ」に、ハッキリとした違いはあるのでしょうか。

■麺の太さによる違い

一般的なイメージとしては、一番細いのが「そうめん」、それよりちょっと太いのが「ひやむぎ」という違いだと思いますが、どうやらそれぞれの太さは規格でしっかり決まっているようです。

　　　「JAS(日本農林規格）によると、機械麺の場合、太さ直径1.3mm未満がそうめん、1.3mm以上1.7mm未満がひやむぎ、1.7mm以上はうどん、となるそうです」（sakujiさん）

なるほど、ひやむぎとそうめんの境界線は太さ1.3mmにあるようです。以前、母が中途半端に残った「ひやむぎ」と「そうめん」を、鍋に入れるタイミングをずらして一緒に茹でたことがあり、「ひやめん」だと言い張っていました。冷やした麺なので間違ってはいませけどんね。

■根本的に製造方法が異なる

「そうめん」と「ひやむぎ」の違いは、太さだけだと思ったら、根本的に製造方法が異なるという回答も寄せられました。

　　　「そうめんは小麦を塩水でこねてから、油を塗りながら、手で引き伸ばして、細くしていく手延べ麺です。ひやむぎは小麦を塩水でこねるまでは同じですが、それを麺棒で薄く延ばし、折りたたんで、包丁で細く切る、つまり蕎麦のような作り方をするわけです。今は機械で作ることが多いので、太さが違いとされていますけどね」（noname#21097）

　　　「小麦粉を練って縒り（より）を掛けながら引き延ばしたものが「索麺」と呼ばれる『素麺（そうめん）』の起源。一方、『ソバ切り』に対して『切り麦』と呼ばれたのが、今で言う『うどん』。それを熱くして食べるのが『熱麦（あつむぎ）』、冷たくして食べるのが『冷麦（ひやむぎ）』」（azuki24 さん）

手で延ばしたのが「そうめん」、麺棒で延ばしたのが「ひやむぎ」だったとは。そういえば、高級な「そうめん」は「手延べ」っていういい方をしますね。ようやくその意味がわかりました。

　　　「規格ではありませんが、本来そうめんは打った後に「寝かせる」という工程が入ります。昔ながらのそうめんは冬に仕込みます。冬の乾燥した風を利用して乾燥させ、そして寝かせます。梅雨の高温多湿の季節を越すと熟成され、そうめんのコシはこの工程でできるそうです」（wakame0729さん）

麺類っていうのは、できたてが一番だと思っていたら、「そうめん」は寝かせる必要があったとは。「そうめん」と「ひやむぎ」、見た目はほとんど同じ食べ物ですが、こんなにも違いがあったのですね。今年の夏、その味の違いを比べてみようと思います。

玉置 豊（Tamaoki Yutaka）　→記事一覧

■関連Q&A
・「ひやむぎ」と「そうめん」の食べ方の違い
・「もりそば」と「ざるそば」の違い

■関連記事
・ラテ、カプチーノ、エスプレッソ…違いわかる？
・違いがわかる？会席料理と懐石料理