マレーシアから成田空港に覚せい剤を持ち込もうとしたとして、59歳の会社役員が覚せい剤取締法違反などの罪に問われた事件の裁判員裁判で、千葉地方裁判所は、無罪を言い渡しました。裁判員裁判で全面的に無罪が言い渡されるのは、全国で初めてです。
裁判員が審理したのは、神奈川県相模原市の会社役員、安西喜久夫被告(59)が去年11月、およそ1キロの覚せい剤をチョコレートの缶に入れてマレーシアから成田空港に持ち込もうとしたとして、覚せい剤取締法違反などの罪に問われた事件です。裁判は、6人の裁判員が参加して、今月15日から千葉地方裁判所で開かれ、検察は懲役12年を求刑し、被告は無罪を主張していました。22日の判決で、千葉地方裁判所の水野智幸裁判長は「被告は缶に覚せい剤が隠されていることを知っていたとは言えない」として無罪を言い渡しました。裁判員裁判で全面的に無罪が言い渡されるのは、全国で初めてです。