胃の先にあるのは腸ではなく、空っぽになった子宮。
その子宮を突き抜け、破れた処女膜を越え、股間からミミズが顔を出した!
「っっっ!………っ!!!ッッッ、っ゛、ッ゛ッ゛ッ゛ッ゛!!!!!!」
膣と肛門から白濁した精液が間欠泉のように噴き上がる。
ボトボト飛び散る精液は妖魔の全身から容赦なく放たれ
皮膚どころか、胃や腸や子宮のなくなった腹にもぶち当たった。
壊れたスロットのように目玉が白目を剥く。
内側から肉体が破壊される。
精液で私の肉体が壊される。
(か…貫通……して、ひる……)
菊花の膣から入ったミミズは、その胃を抜けて、喉から吐き出され
私の口に入り、胃を通過し、膣から飛び出ていた。
私の肉体は今、どうなっているのだろう……。
ズリッ……ズリズリッ、ズズッ、グブッ。
ミミズと蛇が、その胴体をくゆらした。
(んぅぅぅぅぅぅぅぎいぃぃぃぃぃぃぃっっ!!!!)
空気を吸う隙間すらないほど大量のミミズで詰まった口内からは、声も出ない。
グボッ、ガボッ、ヌヌッ、ズヌッ、ニチャアァァッ。
(んんんんんんんんんっっっ!!!!!)
全身がビクビクンッ!と大きく痙攣した。
(蛇…がぁ……う、動いて、りゅう……)
今になって私は、あの妖魔の亡骸の真の目的が分かった。
アレを飲まないと、菊花と一緒にいられないと言われた、意味が分かった。
餌でもあったんだろう。
だけど本当の効果は……。
(……不老…不死……)
妖魔を体内に取り入れる事によって、死なない肉体を作ろうとした人間が
子宮を取って用済みとなった私達を実験台にした。
不死となった肉体は内側から作り変えられ
胃と、腸と、足りなくなった『子宮』という組織とを、繋いだのだ。
(私の…から…だ………繋がって…る…の……)
胃から伸びた管はYの字になり、それぞれが膣と肛門とに繋がっている。
だから菊花の膣から侵入した妖魔は、菊花の肉体を壊さずに……
私の口に入り、膣から出られた。
ジュッ……グズズッ!
「ぐばっ、がひいぃぃぃっ!!??」
膣口から飛び出た妖魔が、再び膣の中に戻っていく。
メリッ、グチグチッ、ギチュッ、ゴブッ!
「むぐっ、んぼっ、ごおぉぉっ、んぐぐっ!!」
ミミズの節の1つ1つが膣口にぶつかり、引き戻される。
「ぶぼおおぉおぉぉおぉぉおぉぉぉおぉぉぉぉっっ!!!!」
そのたびに節という節から精液が噴き上がった。
ミミズはその長い胴体全部から、精液を吐き出していたのだ。
「ぐぼっ、ごぇっ、うぐっ、ぐぶぐぶぐぶうごがあぁあぁぁぁっっ!!!」
胃を犯し、喉を犯し、唇を犯したミミズの胴体が私から引き抜かれていく。
(ぐ…ぐ、る゛、じ、い゛!)
引きずり出されるミミズの胴体に、内臓が揺さぶられた。
「ガあぁあぁアァァあぁぁあぁぁアァァッッ!!!!」
唾か精液か血液か分からない液体が喉から飛び散り、摩擦熱で内臓が焼ける。
(だれがぁ……だづ…たず、げぇ……おげえぇえぇぇぇぇっっ!!!!)
内側から全身が痙攣し、胃の中身がミミズと共に逆流してきた。
膣口の中にミミズの頭が飲み込まれようとしている。
(も……もう、少…し……)
それでも、私の躰からミミズが完全に引き抜かれれば。この苦しさは終わる。
(……は、はや゛ぐうぅぅぅっ……!)
その時を待つ。
1秒。
2秒。
3秒。
4…びょ…う……。
ご……び、ょ、う……。
(ど……して?)
どうしてまだミミズは私の躰から出ていってくれないのだろう。
こんなに苦しいのに。
もう生きていたくないぐらい辛いのに。
痛いのも苦しいのも辛いのも悲しいのも絶望するのも、もう嫌なのに!
ジュブブブブブブゴブジュウゥウゥゥゥゥッ!!!
「ぶぼおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっ!!??」
私の願いに呼応したように、ミミズが。
ミミズが……。
「お……おご、ぐ……が、げぼっ……」
ミミズの頭が、膣口の外側でブラブラ揺れていた。
(……ぎ、ぎいぃぃ)
そう。
ミミズは最初から、私の躰から出るつもりなんてなかった。
精液で滑りの良くなった私の内臓で快感を得ようと
わざと膣口ギリギリまで、頭を後退させる。
そして今……一気に、内臓に挿入してきた。
私の内臓の感触を味わうために!
ズッ、ギュルッ。ニュルッ、グブブッ、ズズズッ!
「あ゛、あ゛がああぁあぁぁぁぁっっ!!!」
ミミズの胴体が、またギリギリまで後退する。
ヌチュッ、ズッ、ジュルッ………ヌチュヌチュヌチュヌチュニュルウゥゥゥ!!!
「んぐぅぅぅぅぅおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
ミミズの胴体が、凄まじい速度で挿入された。
それはすべて、菊花と私の内臓を使っての行為。
私達の内臓を使って、運動会の綱引きでもしているようだ。
「あっ、んあぁぁっ!ぎっ、ひぎっ、いいっ!!イイんアァァァッ!!!」
私の目の前で、菊花はミミズに胴体を串刺しにされながら喘いでいた。
(……菊…花ぁ……)
私も、すぐにそうなる。
絶対になりたくないと思っても、すぐにそうなってしまう。
(だって……)
この躰は。
「あっ、んあぁぁっ、がっ、あっ……ひあぁぁあぁぁぁンッ!」
この躰は、すでに感じ始めていた。
涙を流して嫌がっても、どうにも出来ないと分かっている。
(……どうにも出来ないのなら、いっそ……)
私の知っている菊花は、もういない。
ここにいるのは、妖魔に汚され、実験体となる事に快感を覚え始めた少女だ。
でも……それでも、菊花には違いない。
だから、私は……。
(……一緒に、いる、から……)
共に堕ちていく。
ただ、それだけ。
快感は次第に強くなっている。
内臓の内側から響いてくるエクスタシーで脊髄が焼ききれそうだ。
すぐに、快感以外は何も考えられない躰に変わるだろう。
だから、その時まで。
ううん、その時が過ぎても。
(ずっと……菊花と、生きてく……)
私は、たった1人の肉親と共に生きていく。
「―――――ふふっ」
覚悟を決めた私の脳裏で
楽しそうな菊花の声が聞こえた気がした……。
8/8