審判から2日連続の日没中断を告げられ、疲れ切った表情のイスナー(左)とマユ=AP
10時間におよぶテニス史上最長試合で、コートに突っ伏すマユ=ロイター
計11時間5分の粘戦を戦いあったイスナー(左)とマユ=ロイター
伝統と格式あるウィンブルドンで、また一つ、テニス史上に残る記録が生まれた。男子シングルス1回戦、ニコラ・マユ(仏)―ジョン・イスナー(米)は、2度日没サスペンデッドとなる3日越しの大熱戦となり、24日、最終セット70―68でイスナーがついに決着をつけた。計11時間5分の歴史的な激闘だった。
第23シードのイスナーは、206センチの長身から強烈なサーブを繰り出す。一方、予選2回戦もフルセットを24―22で競り勝ったマユは粘りが身上。22日に始まった試合は、イスナーの6―4、3―6、6―7、7―6で2時間54分を費やし、日が暮れた。第5セットだけ行った23日は互いにサービスゲームをすべてキープ。7時間を超え59―59。夕闇迫る午後9時10分、再度の日没となった。
迎えた24日、再び同じコートに立った両者。1時間を超え、この日の20ゲーム目、最後はイスナーがパッシングショットを決め、終止符を打った。
前日までに計10時間。2004年の全仏1回戦であった6時間33分を上回る、テニス史上最長試合時間になっていた。計183ゲームも史上最多なら、第5セットの70―68は、1969年全米の25―23を上回る1セット最多ゲーム。さらに合計215個のサービスエースは、統計が残る1991年以降の1試合最多記録。イスナーの112個、マユの103個は個人史上1、2位の記録だった。(藤島真人)