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【参院選公示】「民主の象徴」山梨決戦 逆風の教組「今回は難しい」 (2/2ページ)
■世代対決を強調
自民党総裁が国政選挙の第一声を地方都市で上げるのは異例だ。山梨選挙区にはこのほか、共産の花田仁氏(49)や無所属の根本直幸氏(44)、木川貴志氏(36)も立候補したが、小沢一郎前幹事長と近く、教職員組合と関係が深い輿石氏との対決を重視、山梨を「最重点選挙区」に選んだ。
ただ、強力なバックを持つ輿石氏は優位な戦いを進め、宮川氏が追う構図は否めない。首相交代で民主政権の支持率がV字回復したことも重くのしかかる。宮川氏の陣営には「たちあがれ日本」の推薦で「反民主勢力」の結集が進んでいる形だが、ある自民党県連幹部は「『民主対自民』ではなく『古い輿石に若い宮川』という個人戦として無党派層にアピールしたい」と話し、世代対決を強調する。
1日かけて県内を選挙カーで回った宮川氏は夕方、甲府駅前で街頭に立ち、「マニフェスト違反を繰り返す不誠実な政党に、今の政治を任せることはできない」と訴えた。足を止めるサラリーマンの姿もあったが、選対幹部の表情は険しかった。
■今回はノルマ20万票
一方の輿石陣営にも楽観的な見方はない。「今回は難しい戦いだ」。ある陣営関係者は打ち明ける。
支持母体の山教組の選挙作戦がこれまでになく難航しているのだ。組合員の教員一人一人が、知人に「個票」と呼ばれる後援会カードに記入させ、名簿を作って電話する作戦なのだが、教師の政治活動に批判が集まり、「個票」が集まらない。6年前は1人80票ものノルマが課されたが、今回は20票集めるのが精いっぱいだ。
さらに、最大の後ろ盾だった小沢前幹事長が、自身の資金管理団体をめぐる政治資金規正法違反事件で表だって動きがとれない。同日、小沢氏は山梨県内で金丸信元自民党副総裁の墓参りをしたが、選挙カーで県内各地を回る輿石氏と合流した様子はなかった。