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チャンスに超守備的布陣…失点防ごうとする首相 あすサミット開幕
菅直人首相の外交デビュー戦となるサミットの大舞台は、開催日が24日の参院選公示直後とあって、選挙戦序盤の絶好のアピールの場となるはずだ。ところが、首相はむしろ、得点をかせぐより失点を防ぐ超守備的布陣で首脳外交のピッチに立とうとしている。
20日夕、藪中三十二次官ら外務省幹部が首相公邸に集まった。サミット開幕を5日後に控え、首相に基礎知識をレクチャーするためだが、官僚の説明をうまく理解できない首相がいらだつ場面もあったという。
首相自身も外交には苦手意識があるようだ。22日夜には、都内のホテルに中曽根康弘元首相をわざわざ訪ね、サミットに臨む心構えについて教えを請うた。
外務省幹部が驚いたのは、サミットへの岡田克也外相の同行だ。岡田氏自身も「普通は首相と外相が同じ会議に出ることはまずない。(今回は)例外的なものだと考えている」と認めるほどの異例の措置だ。
岡田氏は、首相と各国首脳との個別会談に同席する。鳩山由紀夫前首相は昨秋のオバマ米大統領との会談で「トラスト・ミー」と述べ、結果的に日米の信頼関係を危うくした。前政権の経緯を知る岡田氏の同席は、首相の不用意な発言を制御する意味もある。
首相は大統領との会談について「個人的な信頼関係が生まれればいい」とハードルを低く構えている。安全運転に徹するのは、失点さえなければ参院選に勝てそうだという情勢分析も影響しているようだ。