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<大相撲>野球賭博「ハンデ」でとりこ 警視庁、全容解明へ

6月24日21時27分配信 毎日新聞

<大相撲>野球賭博「ハンデ」でとりこ 警視庁、全容解明へ
恐喝容疑で逮捕された元力士、古市満朝容疑者を乗せて警視庁本所署に入る車=東京都墨田区両国で2010年6月24日、丸山博撮影
 大関・琴光喜関(34)=佐渡ケ嶽部屋=が恐喝された事件の発端になり、角界を揺るがす野球賭博。親方や力士らが熱中した野球賭博とはどのようなものなのか。長年携わってきた元暴力団関係者が取材に応じ、実態を証言した。警視庁は力士らが賭博につぎ込んだ現金が暴力団の資金源になった疑いがあるとみて、元力士、古市満朝(みつとも)容疑者(38)の恐喝事件を足掛かりに解明を進める。【酒井祥宏、川崎桂吾】

 元暴力団関係者は「野球は九回2死から逆転できる。エースでも勝つとは限らない。野球賭博はバクチ好きにはたまらない」と話す。この関係者が関与した野球賭博は今回の賭博とは別ルートだが、プロ野球のほか、アマチュア野球も対象とする胴元が多いという。

 野球賭博は関西発祥とされ、20年以上前に関東にも広まった。賭博を仕切る「胴元」は全国に20以上あるとされ、暴力団が運営するケースが多い。琴光喜関や古市容疑者が賭けていた胴元も暴力団関係者とみられる。

 胴元は仲介役を通じ、試合開始2〜3時間前に携帯電話メールなどで客に「ハンデ」を伝える。ハンデは戦力が劣ると予想されたチームに加点される点数や賭け率を示す数字。例えばA対Bの試合で、劣勢のBに「ハンデ1・8」が与えられた場合、Aに100万円賭けると、Aが2点差で勝てば「丸勝ち」で100万円もうかる。Aが1点差で勝っても、Bが0・8点上回っているので「8分負け」で80万円を没収され、引き分けかBの勝ちなら「丸負け」で全額取られることになる。

 ハンデは胴元によって異なるが、最近はハンデを分析する携帯電話サイトもあり、客が勝つケースが増えたという。勝った場合は賭け金の10%が「寺銭」として胴元に支払われる決まりになっている。プロ野球の試合が少ない月曜日に、1週間分の「賭け金」「勝ち金」を清算する。

 賭博客とのトラブル防止で胴元と仲介役は「付け帳」と呼ばれる勝敗表を残すが、警察の摘発を免れるために支払いが済めば破棄し、ハンデを送信したメールも消去するのが決まりだったという。

 今回の場合、琴光喜関や古市容疑者らは仲介役の阿武松(おうのまつ)部屋の床山(29)や元幕下力士(34)からハンデを教えられて賭け、清算もしていた。没収された賭け金や寺銭は胴元がかかわる暴力団の資金源になっていたとみられる。警視庁が事情聴取した力士らもメールを消去していた。

 賭博客は飲食店や自動車販売業、不動産業など自営業者が多く、1年で二十数億円負けた客もいた。力士が常連とのうわさも絶えなかったという。元暴力団関係者は「野球賭博はねずみ講のように広がっている。1日に数十億円が動いているのでは」と指摘する。

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最終更新:6月24日21時57分

毎日新聞

 

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