θ=5 β=5
私は「物質X」を題材にしてひとつの世界観を示そうと試みているに過ぎません。これから書くことも同様で、ある巨大産業の実体暴露が目的ではありません。また、当サイトは閲覧者やリンクが多いため検索語に合致する言葉が含まれている場合、検索サイトで上位に表示される可能性があります。その結果、特定産業からマークされることになるのは不本意であると同時に、真剣に問題の解決を求めて検索する人たちに迷惑をかけるのも不本意です。ゆえに幾つかの言葉にはマスキングを施します。また、ある種のデータを示すこともありますが、その出展は示しません。データの信憑性が必要なら自力で探してください。
エピローグ:病院へ行こう!
病院へ行ってみよう。心に巣食うトゥジャリットや有害な常識を破壊するために。病院へ行き、あちこちに貼られているポスターの文字を澄んだ心で読んでみよう。そうすれば、いかに我々の感受性が麻痺し、視野が狭まり、思考が停止していたかが良く分かる。病院のロビーは華麗な「サウンドバイト」が乱舞するラスベガス・ショーだ。
「サウンドバイト」とは、問題の核心から目をそらし、強いインパクトによって問題の一側面をだけを印象深く特徴付けて見せ、あたかもそれが選択可能な唯一の真実として受け入れさせ、予め用意された結論へと人々を誘導するために使われる端的で刺激的な「言葉」や「映像」を使ったテクニックのことである。ゆえに、「サウンドバイト」を伴ってやってくる「問題」や「開放」には、眉に唾して対応するべきである。
例:「テロリストの側につくか、我々の側につくか」「政治とカネ」「地球温暖化」「パンデミック」「もっと自由に、もっと楽しく」「湾岸戦争時に使われた油まみれの鳥」「タイ、クーデター時に使われた、兵士に花束を渡す少女」「911のあらゆる映像」その他いろいろ。
では、病院のポスターを見てみよう。ラスベガスへようこそ!!
「はじめよう、いのちの●診」
冒頭からあなたの心をわしづかみ。「サウンドバイト」はこうでなくちゃ。しかし、真実としては「はじめよう、ガ●検●」でなければならない。だが、それではインパクトに欠け、「●診を受けざるを得ない」という心境が芽生えない。そこで「いのち」という言葉を使い「ガ●」と「死」を関連付けて恐怖心を煽り、あたかも「●診」が「死」を遠ざけるかのような印象を与えるのである。「サウンドバイト」的意匠によって不可視にされているが、この言葉が暗示するのは「私は●診を受けなければ死ぬ」という、自己に向けたメッセージである。しかも「受けよう」ではなく「はじめよう」であり、それが継続的な行為でなければならないことを印象付ける。つまり、「私は●診を受け続けなければ死ぬ」ということである。なんと恐ろしい、まだ病気でもないのに「死」を宣告されてしまったのだ。もしこの段階であなたの心の片隅にでも恐怖が芽生えたのなら、あなたの思考は停止し、このあとに続く言葉や映像を無批判に受け入れてしまうかもしれない。
一方、免疫を破壊する放射●や化学●質による治療を選択しなかった、あるいは途中でやめ、免疫をサポートする代替療法に切り替え、あるいは何もしない事によって完治したというエピソードはいたるところに転がっている。もはやそれらのエピソードが人々の目に触れないようにすることは不可能だ。しかし、それらのエピソードに触れ、心の片隅に「ガ●は自分で治せる」という淡い確信を抱き始めていたとしても、あなたが権威や専門家の言説に弱ければ「いのちの●診」という言葉の兵器は、いとも簡単にあなたを撃ち抜いてしまうかもしれない。
では、その下に続くグラフを見てみよう。
ガ●の死●率推移を表していると主張するグラフだ。恐ろしいことに、そのグラフは右肩上がりの急カーブを描いている。冒頭で打ちのめされてしまったあなたは、もはやこの恐ろしいカーブを冷静な目で見ることができない。そのグラフを「これから益々ガ●で死ぬ人が増えていく」と読み取ってしまう。これであなたの恐怖は一段と成長し、自分を救ってくれるのは誰かを探さなければならないだろう。これであなたは救済の道を外部化してしまう。しかし、究極的にはあなたをガ●から救済するのはあなた自身の免疫だ。それはあなたの外部に居る何者かではない。
だが、落ち着いて見ればこのグラフはまったくオカシイ。滑稽ですらある。まずこのグラフにある不正を示しておこう。右肩上がりの最右端、グラフの数値が頂点に達しているのが、なんと2020年である。え?これ何のグラフなの?つまり、「このままだとこうなる」という予測だと言いたいのだろう。でも、「このまま」って何?「●診をしない」ということ?それなら少なくとも「●診」が行われている現在から伸びる線に繋げてはいけないでしょう? それとも「●診」を続けてさえ、将来こうなるということ?何を根拠に?別にそれでもいいけど、それじゃあ、あんたたち「●診ビジネス」に連なる全てのガ●治療体制がまったく無力だということを示したことになるけど?
自称「ガ●撲滅キャンペーンに賛同します」の人たちが作るグラフなら、「今はこうだけど、多くの人が●診を受けてくれたら将来こうなる」とか「将来の目標をここに置いてがんばります」とかいう姿勢を示した右肩下がりのグラフを提示して人々の信頼と賛同を獲得しようとするのがスジだ。本当にガ●から人を救いたいならそうするだろう。普通、お客さんが欲しい時はウソでもいいからそうするのが産業だが。
いや、その必要はない。競合者の存在しない産業は高飛車でよいのだ。誠意ある目標や努力を示す必要はない。ただ恐怖を与えて問題解決を外部化させれば良いのである。その意味でこのグラフは充分機能を果たしている。意味から目をそらし、インパクトのある視覚的印象だけを作り出せばよいのである。実際はトイレの落書きほどの意味すら持っていない。「サウンドバイト」のお手本だ。
さて、それではポスターの最下部にある文字を見てみよう。
「私たちは●腸ガ●撲滅キャンペーンに賛同しています」
さんざん恐怖心を煽った後、清潔そうな言葉を配置して自らを救済に関連付ける印象を作り出す。
「●診によって早期にガ●を発見すれば、完治する可能性が高まります」
意味不明。
この他病院で踊る「サウンドバイト」でよく目に止まるのは「今、日本人の間で」というもの。これがどんなトリックなのか、もう自分で考えられますね?
さて、華麗なラスベガスショーの舞台裏も文字通り暗い。
「あなた自身や、あなたの家族がガ●になった場合、あなたは病院のガ●治療を受けさせますか?」という、医師を対象にしたアンケートに、70%が「受けさせない」と答えている。
死亡したガ●患者のカルテを精査した結果、80%はガ●で死んでいないことが分かった。死因は治療による免疫破壊に由来するものである。
ネガティブキャンペーンで信用を落とされ、認可されなかった有名なワ●チンの支給待ち者リストには、ガ●の専門医が名を連ねている。自分のために使うのだ。
年間15兆円の市場と、それを維持するためのインフラを今更手放すわけにはいかない。ガ●は自力で治されては困るのである。
発明は、必要の父なり。
しかしもう一度言う。私はこのシリーズを通して一つの世界観を示そうと試みているだけだ。ゆえに、あなたは私の立場を拒否することができる。あなたは自身の幸福の追求において、あなたが信頼のおける、現時点で最良と思われる他の世界観を採用することができる。
エピローグのエピローグ
未だ地球で右往左往している諸君に、無線機の前で声を大にして言おう。
「恐怖」と「問題解決の外部化」。このセットは地球上のいたるところで観測できる。より大きな恐怖と共に、より大きな外部へと諸君の思考や判断を委ねざるを得ない時がやって来る。もし、それをやってしまえば、諸君は自由な人間であることを放棄してしまうだろう。しかしその時、諸君の顔はつるつるの美肌のはずだ。その引き締まったキレイな頬に両手をあて、こう唱えてくれ。
「まだ自分には出来ることがある」
回答が得られるまで、何度でも何度でも。
by Astro-Ho!
完。