民事再生手続きを進めている広島県出資の第三セクター「広島エアポートビレッジ開発」(HAV)の債権者集会が23日、尾道市であり、ゴルフ場事業の売却を盛り込んだ新たな再生計画案を可決した。ゴルフ場事業の引受先企業に、HAVの全株式を取得してもらう売却手法を採用。HAVは企業の子会社となり、県の関与はなくなる。
議決権を持つ債権者は、預託金(1口1200万円)を預けたゴルフ場「フォレストヒルズゴルフ&リゾート」(三原市)の会員206人と県の計207人。投票総数は156人で、賛成137人、反対19人だった。
旧計画案は、3月の債権者集会で否決された。HAVがゴルフ場を所有したまま、今後10年間の想定収益3億1千万円を弁済原資に充てる内容。HAVは弁済率の引き上げを目指し、公募入札でのゴルフ場事業売却を決め、造船業の幸陽船渠(せんきょ)(同市)が5億4500万円で落札した。
新計画案は、弁済原資は2億円余り増の約16億4千万円となる見通しで、弁済率は4ポイント増の31%超を想定。弁済額は、預託金1口当たり50万円増の約380万円、県へは1億円増の約7億5千万円となる。
旧計画案の否決を主導した一部会員でつくる「有志の会」は今回、幸陽船渠が示したプレー権継続などの対応策を受け入れ、多くが賛成に回った。
集会終了後、HAV会長の有岡宏副知事は「多くの方に計画案を理解していただきありがたい」と話し、集会冒頭で会員に謝罪したことも明らかにした。
今後は、広島地裁尾道支部が再生計画を認可決定した後、HAVは8月末までに、経営するホテルを県出資の別の三セクに、ゴルフ場事業を幸陽船渠に売却する。
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