高木マニア堂
何となく思いついたこと、目についたことをツラツラと…。
198:むしろ他局とコラボしていた初代タイガーマスク
<2009年4月=東スポ・プロレス格闘技サイト「プロレスマニア堂」より>
プロレス史上、空前の大ブームを巻き起こした初代タイガーマスクがデビューしたのは、28年前の昭和56(1981)年4月23日。蔵前国技館大会だった。
その週の「ワールドプロレスリング」はプロ野球中継のため中止。日本全国にタイガーの試合が放送されたのは、約1週間後の5月1日だった。
初代タイガーは、同年4月にテレビ朝日系で放送開始したアニメ「タイガーマスク二世」とのコラボ企画として発進。デビュー直後は「タイガーマスク二世」とコールされていた記憶がある。
当時、私は小学校6年生。新聞のテレビ欄にひっそりと記されていた「タイガーマスク」の7文字をめぐり、5月1日の放課後、友人たちと野球をするために集まった多摩川河川敷で「タイガーマスクとは一体…」「中身は誰がやるんだ?」と議論したことを覚えている。
そして、その夜〝実写版〟タイガーの試合を見た少年たちは、一瞬にして虜になった。
オトナの文脈からすると、ついつい「子供たちに大人気のアニメ『タイガーマスク二世』に便乗し、ついに本物がプロレスのリングに登場」なんて書いてしまいがちだが、実情はやや違う。
初代タイガーがデビューする、ほんの少し前から関東圏の小学生は、ちょっとしたプロレス、いや、タイガーマスク人気に湧いていたのだった。
と言うのも、前年(昭和55年)秋からテレ朝ではなく、日本テレビで月~木曜の夕方5時30分からの枠で昭和44年版のアニメ「タイガーマスク」を再
放送(この枠、金曜日だけは「お笑いマンガ道場」が放送されていた)。久々に見る少年も、初見の少年も、原作マンガ版とは、やや違うハードな展開にハートを掴まれ、その流れから本物のプロレス中継を見始める少年も多かった。
やがて日テレでの再放送は終わる。まだビデオも普及していない時代。少年たちにタイガーマスクに対する飢餓感が芽生えていた時期、他局のテレ朝でスタートしたのが「~二世」であり、プロレス中継に登場したのが佐山タイガーだった。プロレス啓蒙に、あの再放送の意義は大きかった。
当初は「~二世」への期待感も高かったが、主人公・伊達直人が交通事故死した原作版の続編であったり、二世の正体が旧作アニメの最終回で、伊達直人からジャイアント馬場を通じて、虎の仮面を受け継いだケン高岡でも、ちびっ子ハウスの健太少年でもないことなどから興味は失速。やがて「アニメ版は興味ないけど、本物のタイガーは大好き」というファンが主流となった。
「技の解説」と称して、佐山タイガーが実写映像でアニメ版にゲスト出演するなど、逆転の人気回復処置が取られたが後の祭り…。「~二世」のアニメ版は1年もたずに全33話で終了したのだった。
プロレス史上、空前の大ブームを巻き起こした初代タイガーマスクがデビューしたのは、28年前の昭和56(1981)年4月23日。蔵前国技館大会だった。
その週の「ワールドプロレスリング」はプロ野球中継のため中止。日本全国にタイガーの試合が放送されたのは、約1週間後の5月1日だった。
初代タイガーは、同年4月にテレビ朝日系で放送開始したアニメ「タイガーマスク二世」とのコラボ企画として発進。デビュー直後は「タイガーマスク二世」とコールされていた記憶がある。
当時、私は小学校6年生。新聞のテレビ欄にひっそりと記されていた「タイガーマスク」の7文字をめぐり、5月1日の放課後、友人たちと野球をするために集まった多摩川河川敷で「タイガーマスクとは一体…」「中身は誰がやるんだ?」と議論したことを覚えている。
そして、その夜〝実写版〟タイガーの試合を見た少年たちは、一瞬にして虜になった。
オトナの文脈からすると、ついつい「子供たちに大人気のアニメ『タイガーマスク二世』に便乗し、ついに本物がプロレスのリングに登場」なんて書いてしまいがちだが、実情はやや違う。
初代タイガーがデビューする、ほんの少し前から関東圏の小学生は、ちょっとしたプロレス、いや、タイガーマスク人気に湧いていたのだった。
と言うのも、前年(昭和55年)秋からテレ朝ではなく、日本テレビで月~木曜の夕方5時30分からの枠で昭和44年版のアニメ「タイガーマスク」を再
放送(この枠、金曜日だけは「お笑いマンガ道場」が放送されていた)。久々に見る少年も、初見の少年も、原作マンガ版とは、やや違うハードな展開にハートを掴まれ、その流れから本物のプロレス中継を見始める少年も多かった。
やがて日テレでの再放送は終わる。まだビデオも普及していない時代。少年たちにタイガーマスクに対する飢餓感が芽生えていた時期、他局のテレ朝でスタートしたのが「~二世」であり、プロレス中継に登場したのが佐山タイガーだった。プロレス啓蒙に、あの再放送の意義は大きかった。
当初は「~二世」への期待感も高かったが、主人公・伊達直人が交通事故死した原作版の続編であったり、二世の正体が旧作アニメの最終回で、伊達直人からジャイアント馬場を通じて、虎の仮面を受け継いだケン高岡でも、ちびっ子ハウスの健太少年でもないことなどから興味は失速。やがて「アニメ版は興味ないけど、本物のタイガーは大好き」というファンが主流となった。
「技の解説」と称して、佐山タイガーが実写映像でアニメ版にゲスト出演するなど、逆転の人気回復処置が取られたが後の祭り…。「~二世」のアニメ版は1年もたずに全33話で終了したのだった。
プロフィル
高木圭介のプロフィル
昭和44(1969)年6月4日、神奈川県川崎市生まれ。かつてジャイアント馬場さんも暮らした新丸子の街
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