中日−横浜 相性のいい豊橋で7イニングを1失点に抑え、2勝目を挙げた山井=豊橋市民球場で(谷沢昇司撮影)
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◆中日4−2横浜
これが山井大介という投手の本来の姿なのだろう。この日のラスト114球目、横浜・カスティーヨの大飛球を左翼・和田がキャッチした瞬間が勝負の分岐点だった。7イニング5安打1失点。今季最長イニング、今季最少失点で乗り切った右腕に勝利の女神がほほ笑んだ。
キーポイントはVSカスティーヨだった。3回1死から先制ソロをセンターバックスクリーン左横に運ばれたが、以降はリベンジに成功。5回1死一、三塁からは三ゴロ併殺打、球数が100球を超えた7回2死一、二塁のピンチは左飛に仕留めた。その直後に打線が勝ち越してお役御免。自ら2安打2打点した4月6日の横浜戦(横浜)以来、78日ぶりの今季2勝目が転がり込んだ。
「(前回まで4打数3安打と)苦手なカスティーヨには本塁打を打たれたけど、その後は低め低めを意識した。前回、前々回も悪くはなかったんで、粘っていこうと思った結果ですね」
両翼93メートルに中堅115メートル。投手なら誰もが嫌がりそうな豊橋市民球場は実は大好きだった。プロ球団の本拠地ではない地方球場での1軍先発登板はルーキーイヤーの02年以来。だが…。「ここはよくファームで投げているんですよ。きょうは風もあったんで低めは意識しましたけどね」。昨年も登板した豊橋での2軍戦成績は何と4試合で2勝0敗、防御率0・95。打っても6回に同点を呼びこむ左越え二塁打を放つなど、“準地元”で躍動したわけだ。
「こういう狭い球場でああいうピッチングができるんだから、もっと広い球場で、もっといいピッチングができるハズなんだろうけど。良かったんじゃないの、きょうは」
落合監督も認めた山井の好投。4月中旬に2軍落ちしてからは無駄な四球を減らすことを意識してフォームを修正したかいはあった。とはいってもこの日を終えても防御率は6・30。山井ってこんなもんじゃない。いかにこの日の内容を続けられるか。背番号29の活躍なくして中日の逆襲はありえない。 (兼田康次)
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