中日−横浜 7回裏無死、右越えに勝ち越し本塁打を放つ森野=豊橋市民球場で
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中日は23日の横浜戦(豊橋)で、同点の7回に森野将彦内野手(31)和田一浩外野手(38)の2試合連続2者連弾で勝ち越し、連勝した。先発の山井大介投手(32)も6回に同点口火の二塁打を放つなど投打の活躍で、2カ月半ぶりの今季2勝目。チームに12日ぶりの貯金1をもたらした。
まるで前夜のリプレー。森野、和田の豪快な連続アーチがまたまた飛び出した。同じ2打者連発が、2試合連続で実現するのは04年に落合監督が就任してから初めてという珍しい記録。だけど、こんなうれしい珍事ならいつでも大歓迎!
「やっと甘い球が来たので。打った瞬間、いったと思いました」
先陣をきった森野が笑顔で振り返る。豊橋を興奮のるつぼに変えたのは同点の7回無死。カウントは0ストライク1ボール。横浜先発の加賀の内角への高め速球を振り抜くと、打球は一瞬で竜党の待つライトスタンドへ。勝ち越し10号ソロ。5年連続2ケタ本塁打という記録までついてきた。
さあ、もう止まらない。和田はカウント1−1から振り抜いた。打球は左中間への19号ソロに。「高めの球をようやくつかまえることができました」。貴重な追加点。満面の笑みを浮かべた。
開幕から好調続きだった2人。最近は苦しんでいた。ともに一時は打率4割前後だったが、森野は18日まで5試合連続ノーヒット。和田は22日の18号ソロが16打席ぶりの安打だった。
続く和田も中越えに19号ソロを放つ=豊橋市民球場で(谷沢昇司撮影)
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不断の努力が光になった。21日の練習日は主力ながら、ともに参加した。振った。もがいた。調子が悪ければ、そうやって試行錯誤してプロで生き抜いてきた。「技術はあるから。感覚がよくなってきている」と試合後の石嶺打撃コーチは言った。和田は19日の試合後、ビジターの東京ドームにもかかわらず、ブルペンで特打もした。「(好調までは)もうちょっとですね」と和田。努力は実る。感覚は戻ってきた。
交流戦から新しいファンサービスを行ってきた。音頭を取ったのは今季から選手会長の森野。試合直後、ベンチ前にナインが並び、スタンドにおじぎをする。これまではナゴヤドームで行ってきたが、地方球場のファンも喜ばせようと、今回の遠征でも企画した。
勝ち試合限定だから、負けた場合は披露できない。前夜の浜松に続き、自分たちのバットで勝利をつかみ、見せることができた。豊橋を喜ばせられた。うれしかった。
首位追撃を宣言するかのようなド派手な号砲。試合のなかった11日以来の貯金ができた。「今後も1打席、1打席集中してやっていきたい」と和田は話した。この日、巨人は敗れた。さあ、差はあと6ゲーム。すっかり復活した和製大砲とともに、竜は突き進もうとしている。 (清水裕介)
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