大相撲の野球賭博問題で、仕切り役の胴元と力士の仲介役として42歳の男性トレーナーが中心的な存在だったことが23日、関係者の話で明らかになった。既に捜査関係者の間でも浮上しているという。横綱白鵬らのマッサージを担当しているトレーナーが野球賭博に関与していたことで、事態は新たな展開を見せそうだ。
トレーナーは本場所の支度部屋に15日間出入りしており、東西の支度部屋を自由に行き来できた。関係者によると、トレーナーは野球賭博の関与が発覚した現役関取の中で、豊ノ島、豪栄道、豊響、嘉風、普天王らほぼ大半の仲介役を務めていた。またトレーナーは数年前からこれらの力士の治療を行っていた。
これまで仲介役の中心人物とされていた床山(29)と同じ阿武松部屋にかつて所属していた元力士(34)も、仲介役をしていたことが判明。これで角界には大きく2つの仲介ルートがあったとみられる。既に白鵬の付け人が野球賭博に関与していたことが判明しており、「賭博汚染」は拡大の一途をたどっている。
トレーナーは相撲協会に所属していないため、特別調査委員会は調査を警察に一任する意向を示した。一方で白鵬は野球賭博に関与していないとみられるが、トレーナーが関与していた事実は、肉体的にも精神的にも白鵬の今後の土俵に影響を及ぼしそうだ。
(2010年6月23日)