マニュアル策定着手を表明 山田農相が来県

(2010年6月24日付)

 山田正彦農相は23日、口蹄疫問題について東国原知事や関係自治体の首長と意見交換するため本県を訪れた。終了後に県庁で記者会見し、防疫の迅速化を目的とする対策マニュアルを緊急に策定していることを明らかにした。感染疑いを確認した家畜は、24時間以内に殺処分と埋却を終えることなどを柱にしており、近く各都道府県に通知する。

 マニュアルは(1)農場から家畜保健衛生所に通報があれば、2時間以内に立ち入り検査(2)動物衛生研究所の遺伝子検査を待たず、写真で感染疑いを早期に判定(3)疑い確認から24時間以内の殺処分、埋却―が盛り込まれる。山田農相は「一両日中に発表できる」との見通しを示した。

 国は防疫措置の在り方などを明示した防疫指針を定めているが、マニュアルは防疫のスピード化を念頭に置いた、より具体的な内容となる。山田農相は会見で、現在の感染拡大は発生農場での防疫に時間を要したことが原因との認識を示しており、教訓をマニュアルに反映する格好だ。

 また、知事や発生した11自治体の首長との意見交換では、本県側が口蹄疫対策特別措置法に盛り込まれた地域経済の再建に充てる基金を国が準備するよう要望。さらに、飼料用稲の生産農家が買い手を失ったことへの補償、感染経路を解明する疫学調査の迅速化を求めた。

 農水副大臣として政府の現地対策チーム・本部長を務めていた山田農相の来県は、8日に大臣へ昇格してから初めて。24日まで本県に滞在し、埋却地も視察する予定。

【写真】知事や関係市町長と意見交換する山田正彦農相=23日午後、県庁