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引寺容疑者「秋葉原のように」と供述

 広島県のマツダ工場で乗用車が暴走し、11人が死傷した事件で、殺人未遂などの疑いで逮捕された元期間従業員引寺(ひきじ)利明容疑者(42)が、「秋葉原の(無差別殺傷)事件のようにしてやろうと思った」と供述していることが23日、捜査関係者への取材で分かった。

 乗用車は蛇行するなど約9キロ暴走し、両側のサイドミラーが破損していたことも新たに判明。供述や現場の状況から広島南署捜査本部は、秋葉原の事件を模倣し、車と刃物を凶器に無差別殺傷を図った疑いがあるとみて、動機などを調べる。

 捜査本部によると、乗用車は侵入直後に歩道に乗り上げて2人をはね、速度を上げ下げしながら約9キロを暴走し11人をはねた。引寺容疑者はその後「マツダに恨みがあった。どうでもよくなった」と自ら110番。運転席側のドアポケットから包丁が見つかった。

 知人の話では、引寺容疑者の父親も長年、マツダに勤務。捜査本部は引寺容疑者とマツダとの間にトラブルがなかったか調べるとともに、一方的に恨みを募らせた疑いもあるとみて動機の解明を進めている。

 また捜査関係者らによると、引寺容疑者は約2年前に破産。捜査本部は、家宅捜索で押収した通帳などから経済状況も調べている。

 引寺容疑者が事件直前に派遣社員として働いていた広島市内の自動車部品製造会社によると、事件前日の21日まで通常通り勤務。22日も午前8時に出勤予定だった。

 捜査本部は23日、殺人未遂と銃刀法違反の疑いで引寺容疑者を送検。同日午前、県警海田署を出発する際、引寺容疑者は青のジャージー上下とサンダル姿で、視線を下に向けながらバスに乗り込んだ。

 ≪秋葉原被害者「残念としか…」≫秋葉原の無差別殺傷事件で重傷を負った湯浅洋さん(56)は23日、取材に「どうしてとどまってくれなかったのか。残念としか言いようがない」と感想を述べた。引寺容疑者の供述について「再発防止を願うわたしとは逆のことを考えていたのだろう」と指摘。秋葉原事件で殺人罪などで公判中の元派遣社員加藤智大被告(27)は湯浅さんへの手紙で「二度と同様の事件を起こさせないことをせめてもの償いとしたい」としていたといい、「それなのに模倣する事件が起きてしまった」と悔やんだ。

 ≪5カ所に献花台…動揺続く≫痛ましい事件から一夜明けた23日朝、広島県のマツダ工場では出勤する社員たちが「許せない」「もし自分だったらと思うと…」と怒りや不安の声を上げた。構内では5カ所に焼香台が設営された。府中町の本社工場の正門では、午前7時すぎから出勤する社員の姿が目立ち始め、事件があった7時半すぎから8時前にピークに。関連会社の男性社員(44)は「逆恨みだ。あんなひどいことをするなんて…」と憤慨した。隣接の宇品工場(広島市南区)の東正門では、社員の男性(20)が「昨日はたまたま出なかったが、もしかすると自分が被害に遭ったかもしれない。頭の中は今も真っ白だ」と顔をこわばらせた。

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