きょうのコラム「時鐘」 2010年6月24日

 6月下旬の歴史は重い。きのうは沖縄慰霊の日だった。あの悲惨な戦いの終結から65年、ことしは改定日米安保発効50年が重なった

そして2010年、きょうの参院選公示である。あす25日は1950(昭和25)年の朝鮮戦争勃発から60年。原爆投下の恐れもあったこの戦争の停戦交渉が提案されたのも開戦翌年の6月末だった。日本と世界の、来し方行く末を思わせる6月である

本紙連載「三人の二代目」にある本能寺の変の始まりも、現在の太陽暦に直すと6月末のことである。戦国の世から太平洋戦争末期、昭和20年代の混乱までが6月に凝縮されているのではないかとさえ思う

夏至が過ぎた今ごろの太陽は、人間の闘争本能に影響するのかと考えることがある。無論、単なる歴史の偶然だろうが、その時々の戦乱を防げなかった政治の未熟さや失敗は、どの時代にもあったに違いない。多大な犠牲の上に今がある

参院選の焦点が、消費税や福祉など身近な問題になるのはやむを得ないが、世界と日本の「昨日・今日・明日」を考えてみたい。一票が歴史を変えるのだとの強い意志を持ちたい。