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通貨両替取引の実現損益認識時点

  • 投稿日時:
  • 2010.01.02
  • 回答件数:
  • 1件
  • 評価ポイント:
  • 170ポイント

杉浦さんに、先にいただいた回答の件(http://profile.allabout.co.jp/ask/qa_detail.php/40457/)で質問があります。

論点を明確にするために、「円を売り米ドルを買い、その米ドルを売りポンドを買い、そのポンド売りを米ドルに戻した場合」を想定してください。この場合でも、杉浦さんの論法だと、依然として究極の元通貨である円に戻っていないので、実現為替差損益を認識すべきでないというように読めるのですが。しかし、もしそうだとすると、杉浦さんのFX取引での回答と整合性が無いように思います。なぜならば、この取引は、レバレッジの有無を別とすれば、円を米ドルに変換し、その米ドルで通貨先物GBP(GBP/USDの通貨ペア、決済通貨米ドル)を買ったのと全く同じ経済行動、取引だからです。通貨先物GBPを手仕舞った時に、その実現為替差損益分だけ米ドルが増減します。その米ドルベースの実現為替差損益に、その日のドル/円為替レートを乗じて実現為替差損益の円換算額を計算し、雑所得で申告するはずです。全く同様に、米ドルをポンドに変換し、そのポンドを米ドルに戻した時に、当初の投下米ドルに対していくら米ドルが増減したかが米ドルベースの実現為替差損益になり、その日のドル/円為替レートを乗じて実現為替差損益の円換算額を計算し、雑所得で申告すべきです。もしもこれが未実現というのであれば、GBPUSD間の売買で米ドルベースで巨万の利益を得ても、円に戻していないので税金を一切支払う必要がないことになってしまいます。

もし、米ドルベースで実現損益を認識するというのであれば、私の当初の質問に進みます。税務申告のために、わざわざコミッションと取引価格を1ティック損してまで、1取引でできるものを2取引に分けなければならないのでしょうか? 頻繁に取引している場合、毎回毎回2取引に分けるなどあり得ないと思うのですが。

回答

私の説明が下手で誤解されたようですので。

  • 投稿者:
  • 杉浦 恵祐
  • 投稿日時:
  • 2010.01.04

スポットFXさんへ。
金融取引によって得た所得であれば、もちろん原則として課税所得です。
(利付の外貨建外債や外貨建MMFの為替差益を含む売却益は例外的に非課税)
所得の種類は商品(取引)によって異なり、国内の取引所取引以外のいわゆるFX取引からなる所得は総合課税の雑所得です。
私が申し上げたのは、FX取引ではない単なる現金の外貨両替で、かつ、通貨が一度も戻っていなければ(例 円→米ドル→ポンド→豪ドル)、事実上所得認識ができないということです。
外貨両替であっても、円→米ドル→ポンド→米ドルなら、ご指摘の通りポンドを米ドルに戻した時点で当然所得が実現していると考えます。

次に、当初の質問の回答です。
「(FX取引で)持っていた米ドルを売りポンドを買い、そのポンドを売り豪ドルを買いました」
米ドルベースで実現損益を認識するのではありません。あくまでも決裁毎で所得を円換算します。
持っていた米ドルを売った時点で1回、そのポンドを売った時点で1回です。
「ポンドを売り豪ドルを買う」ことを、あえて「まずポンドを売り米ドルを買い即座にその買った米ドルを売って豪ドルを買う」のように2回に分けるということではありません。
ちなみにその円換算の仕方が所得税基本通達に規定されています。

再
外貨両替で、円→米ドル→ポンド→米ドルなら、米ドルに戻した時点で当然所得が実現しているとのこと、確認できました。 >「(FX取引で)持っていた米ドルを売りポンドを買い、そのポンドを売り豪ドルを買いました」 すみません。私の書き方が悪かったのだと思いますが、私は元々、外貨両替のケースだけを話していて、杉浦さんのいうFX取引の話は一切しておりません。 外貨両替で、「米ドル→ポンド→米ドル」ではなく、「米ドル→ポンド→豪ドル」にした場合を考えてください。この場合、ポンドにとっての元通貨は米ドルなので、税務申告に際して完全に紛れをなくして実現損益を主張するとすれば、豪ドルを直接買う代わりに一旦米ドルを買い(米ドルに戻し)、その買った米ドルで豪ドルを買う方が分かり易いとは言えます。ですが、1取引でできるものを2取引に分けるため、1.コミッションがダブルで掛かる、2.マーケットリスクを回避するためには、米ドル→豪ドルを成行注文しないとならないので、1ティック悪いレートで約定しなければなりません。要するに、完全に紛れをなくするために、わざわざ損してまで、1取引でできるものを2取引に分けなければなりません。これでは不合理な取引を強いられることになります。また、頻繁に取引している場合、毎回毎回2取引に分けるなどあり得ないと思いますし、さらに1取引で売るポンドの元通貨が米ドルと円の混合の場合、それぞれの毎に2つに分け、4取引にしなければなりません。銀行がインターバンクレートで外国為替市場で通貨の売買(外貨両替)をする時に、こんなことをしているとは思えないのですが。 なので、直接豪ドルを買った場合でも、買ったポンドを売れば、損益実現としてポンドの元通貨である米ドルに対して実現損益を計算してもおかしくないと思うですが。その売買日時のポンド/米ドルのレートもちゃんと取れます。
再
スポットFXさんへ。
以下、いわゆるFX取引ではなく、直物取引=現物取引(取引額全額を支払い外貨の現金(両替)や預金を受け取るもの)として回答します。
ただし、これについては税務上の明確な規定はありませんので、あくまでも私見であることをお断りしておきます。

個人の直物取引や外貨預金の為替決済損益の認識基準については、大きく分けて以下の2説があると考えられます。
1 取引説(預金契約説)
 これは直物取引の取引ごと(預金契約ごと)で課税関係が発生するという考え。
 米ドル売りで1取引で、為替差損益が税務上実現
 ポンド売りで1取引で、為替差損益が税務上実現
この考え方にたてばスポットFXさんの疑問は解消します。

2 円転時課税説(前の通貨に戻したときも同様の考え方)
 通常、米ドル→ポンド→豪ドルの各両替時の円貨換算手続は、円に戻さないとすれば円ベースでの客観的な価値を示すものではない。
 よって、外貨を売却して円転(もしくは前の通貨に戻す)したときに初めて過年度に帰属する未実現損益を含めて為替差損益が実現するという考え。
 普通の外貨同士の両替や、ドル預金からポンド預金への振替のような場合には、個人の担税力の観点からも為替差益は認識しないという取扱いが実務上では一般的です。
この考え方にたてばスポットFXさんの悩みは深まります。

 税務上の明確な規定がなく複数の考え方があるならば、あくまでも継続適用を前提として自ら合理的と思われる方法(=取引説に立った取引ごとの為替損益の認識)を採用して個人の確定申告義務を履行すればよいと考えます。(税務の世界はすべてが明確に規定されているわけではありません)

しかし、これは私見に過ぎません。必ずスポットFXさんの所轄の税務署の判断を確認してください。
追記
以下、所轄税務署に確認される際のご参考に。 所得税法では、外貨建取引の円貨換算のルールは定められています。 (先物為替予約付預金については政省令で細かく定められています) ただ、ここでいう外貨建取引の解し方でこの問題の考え方は分かれます。 外貨同士の直物取引(両替)をここでいう「外貨建取引」と考えれば前者と考えることもできますし、「外貨建取引=外貨での決済取引」と考えれば後者の取扱いで構わないと考えます。 所得税法第57条の3(外貨建取引の換算) 「居住者が、外貨建取引(外国通貨で支払が行われる資産の販売及び購入、役務の提供、金銭の貸付け及び借入れその他の取引をいう。以下この条において同じ。)を行つた場合には、当該外貨建取引の金額の円換算額(外国通貨で表示された金額を本邦通貨表示の金額に換算した金額をいう。次項において同じ。)は当該外貨建取引を行つた時における外国為替の売買相場により換算した金額として、その者の各年分の各種所得の金額を計算するものとする。」
回答者

杉浦 恵祐 ファイナンシャルプランナー   
(株式会社OSP)

私達は、夢を実現したいと考えている方の人生の伴走者です
専門分野
投資・運用│保険
強み・特徴
ワンストップサービス│投資運用全般│地方対応可

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