宇宙航空研究開発機構は23日、小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰った小惑星「イトカワ」の砂が入っている可能性があるカプセルを24日から開け始める、と発表した。内部の気圧を調整しながら、微粉末も逃さないよう顕微鏡で確認しながら作業する。開封が完了するまでには、1週間程度かかる見込みだ。
カプセルは、豪州から18日に神奈川・相模原の宇宙科学研究所に到着。これまで、X線を使って壊れていないか調べたり、ドライアイスやプラズマを使って洗浄したりしてきた。すでに1ミリ以上の小石や砂がなかったことは確認されているが、微粉末の砂は入っているのではないか、と期待されている。
イトカワは太陽に近づかない軌道で、地球のように内部が高温でもないため、46億年前に太陽系が誕生したころの姿をそのまま保っていると考えられている。宇宙機構によると、大きさが0.003ミリメートルほどでも、成分の分析は可能だという。