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08年に破産 秋葉原事件模倣を供述 マツダ無差別殺傷(1/2ページ)

2010年6月23日

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 広島県のマツダの工場敷地内で社員ら11人が車にはねられ死傷した事件で、殺人未遂などの疑いで逮捕された引寺(ひきじ)利明容疑者(42)が広島県警の調べに対し、「東京・秋葉原の無差別殺傷事件をまねて、むちゃくちゃにしようと思った」と供述していることが捜査関係者への取材で分かった。引寺容疑者が2年前に自己破産していたことも判明。県警は、社会への不満などが動機に結びついた可能性もあるとみている。

 県警によると、引寺容疑者はこれまでに「マツダをくびになり、むしゃくしゃしてはねた」などと供述。22日朝に乗用車で工場に侵入した際、車内に刃渡り約18センチの包丁を所持しており、「工場内で振り回そうと思った」などと話しているという。

 マツダの説明などによると、引寺容疑者は今年3月に半年間の期間従業員としてマツダに採用され、4月から工場で働きはじめたが、同14日に自主的に退職した。

 2008年5月には、広島地裁が引寺容疑者の自己破産を決定した。自己破産は、借金に苦しむ人が申し立て、裁判所が返済困難と判断すると返済が免除される制度。99万円以下の現金や生活必需品を除いて財産は処分されるが、引寺容疑者はそうした財産も持っていなかった。

 県警はこうした経緯から、経済的に困窮していたとみられる引寺容疑者が、自暴自棄になって秋葉原事件を起こしたとされる元派遣社員と自らの境遇を重ね合わせ、無差別殺人を決意した可能性もあると判断。犯行に及んだ直接の動機も含め、事件の背景を解明するため慎重に捜査を進めている。

 県警は23日午前8時すぎ、引寺容疑者を殺人未遂などの容疑で広島地検に送検した。留置されていた海田署を出た引寺容疑者は青いジャージー、黒いズボンにサンダル姿。捜査員に囲まれて県警の車両に乗り込んだ。

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