清浄性確認を開始 制限解除へ都城、日向市

(2010年6月23日付)

 口蹄疫の感染が飛び火した都城、日向市で新たな感染が一定期間ないことから、県は22日、家畜の移動制限区域(発生農場から半径10キロ圏)と搬出制限区域(同10〜20キロ圏)の解除に向けた清浄性確認検査を開始した。家畜への抗体検査などで地域にウイルスが残っていないことが確認されれば、都城市が7月2日、日向市が同3日のそれぞれ午前0時に制限が解除される。特に都城市で清浄化へ向けた一歩が踏み出せたことで、国内屈指の畜産地帯は最大の危機を回避できる見通しが立った。県内での清浄性確認検査はえびの市に続いて2例目。

 都城、日向市の対策本部によると、2市とも23日までの2日間で発生農場から半径3キロ圏内の農家を中心に抗体検査などを実施。対象は、都城市が98農場(約3万5千頭)、日向市が35農場(約4670頭)で、飼育頭数に応じて1農場最大30頭分の血液を採取する。

 都城市では22日、同市高崎町の総合体育館に都城地区農業共済組合や県外の獣医師ら42人が集まり、1班3人ずつ14班に分かれて出発。54農場を回り、この日は876検体を採取した。都城市では既に1キロ圏内の11農場で抗体検査を行い「陰性」を確認しているが、再検査する。

 日向市は18農場で158検体を採取した。

 当初、豚は目視検査の予定だったが、国からの指導で牛、豚ともに抗体検査を実施する。検体は動物衛生研究所海外病研究施設(東京)に送り、数日から1週間程度で結果が判明する見込み。

 その後、3〜10キロ圏内で目視による臨床検査を実施。都城市は26〜30日に約1300農場、日向市は24〜27日に144農場で行う。

 都城市高崎町では9日、日向市では10日、ともに肥育牛農家で口蹄疫の感染疑いが確認された。国の防疫指針によると、検査で異常がなければ、殺処分を終えた翌日から21日後に制限は解除される。

 都城市の移動制限区域には「ミヤチク」高崎工場、搬出制限区域には県畜産試験場(高原町)のほか鹿児島県曽於市の一部が含まれる。

【写真】検査セットを持って清浄性確認検査に出発する獣医師ら=22日午前、都城市高崎町・総合体育館